転倒事故で輸入元を提訴

Cannondale Prophet 1000 2005

人ごとではない事故です。

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スポーツ車のフォークアウターが脱落し、転倒。ユーザーが頸椎を損傷して首から下が不随となった大変な事故であったようです。

詳しくは分からないのですが、確かに壊れた部位が外から確認しにくい部分にあるので、これは怖い破損ですね。これがリジッドフォークなら、外から亀裂や錆びなどを確認できたりするのですけど…。おそらく内部の変化は自転車に詳しくない人には判断が難しいのでしょう。本当に気の毒なことです。

今回のケースでは購入から事故まで6年が経過しているようですが、当然バイクのパーツは劣化します。ご自身でメンテナンスはされていたようですが、こういったユーザーから不可視のパーツはやはりプロの手で定期的にメンテナンスしないとマズイのではないかと思います。

両方のスプリングが一気に折れたのか、一本ずつ折れたのかどうかは分からないのですが、これほどの状態になれば脱落前にもフォークには不具合や異音があった可能性が指摘されます。水が浸入していたということであれば雨天下に保管したり、雨天走行をしていた可能性もありますが、おそらく防水・防塵のシールが破損していたのではないでしょうか。ただ、写真を見る限りインナーがショックブーツで覆われているので、確認が難しいでしょうね。また、一般のユーザにはちょっとした異音や不具合を検知して下さい、というのは難しいのかもしれません。

また、このようにインナーをブーツでおおうフォークはよく見ますが、空気抜きを通してブーツの中に水が溜まったりとかはしないのでしょうか? サスペンションの伸縮のたびにブーツからアウターの中へ水が押し込まれていたりとかすると怖いなあと思います。

今回のものは「設計上の欠陥」の可能性も疑われています。車輪の脱落をもっと確実に防ぐ構造が必要だったのかもしれません。水の進入と貯留については、フォークからはオイルが漏れてはいけないので、進入した水が排出されないのも仕様のような気がするのですが、どうなんでしょう?

もし、事前にこのような異常を検出できて、「修理しなければ」とショップに持って行くことができたならこのような事故は起こらなかったかもしれません。あるいは、提供側で定期的なチェックを行うように念を押し、ユーザ側がそれをきちんと守るというキャッチボールが出来ていたならば、きっとフォークのシールやスプリングは何度か交換になっていたかもしれません。

提供側の説明努力と、ユーザー側の意識・知識がマッチすれば、検出できた可能性はあったと思いますね。

現状、町中を観察してみると、極端な異音を発しながら走っている自転車、ブレーキが効いていない自転車、ホイールが大きく曲がっている自転車を平気で運転している人がいます。本人は無邪気なのかもしれませんけど、こういった状況で乗っていたとしたら、正直私はユーザー側の責任も問われると思います。これらがもし、今回のBianchiのような不具合(設計上の欠陥/メンテナンス不備など)を抱えていたら、と思うと…。

このような不幸な事故を繰り返さないため、メーカー、部品メーカー、輸入元、ショップでも、そういう状態ではバイクに乗ってはいけないという注意義務を喚起させる努力を怠ってはいけませんし、ユーザーも真剣に取り組む必要があります。私たちユーザーも、少しでも不具合を感じたら、購入店に預けてチェックしてもらったり、ユーザが自分自身を守るための努力をしなければいけません。

自転車を完成車で購入すると、ほぼ間違いなく自転車に安全に乗るためのしおりがつきます。きっと読まないまま乗っているユーザも多いと思います(だから、無灯火や反対車線走行、それによる接触事故があとをたたないのでしょう。つい先日も自転車同士の接触事故、目撃しましたよ…)。

今回は輸入元が提訴されたわけですが、少なくともCannondale Prophet 2005からは、道路交通法上の安全や走行上の安全、乗車前チェックなどの手法を記した日本語&英語のオーナーズ・マニュアルが付いてきました(2003 Jekyllのオーナーズ・マニュアルは英語のみだったような気がする)。

今回の事故はビアンキ・クロスバイクのフォーク破損が原因でした。ビアンキは、盗難に遭って手元にないですが、私も2004に購入して愛用していました。日本語のオーナーズ・マニュアルがあったかどうかは記憶がないのですが…。

ただ、オーナーズ・マニュアルに記載されている自転車が必ずしも所有している自転車と車種がマッチしていなかったりするのが難点ですね。やはり車種ごとに日本語マニュアルは必要かと思いました。> Cannondale車/Gary Fisher車

今回は障害の度合いが大きかったために注目を集めていますが、実際にはこういうことが何件も起こっていそうな気がします。この裁判をきっかけに、提供側も利用者側も意識を向上させなければ、自転車の未来はありません。

私も、自分の自転車はよく観察していますけど、子供の自転車のフォークなどは最近見てあげていません。ショックブーツが破れているようなので、今度しっかり見てやろうと思います。また奧さんのママチャリも15年近く使っていますので、フレームを検査しておこう。

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コメント

コメント一覧 (4件)

  • 変な時間ですが)おはようございます。

    上記の事件,私も昨日知りました。仰るように,たぶん日常的に起こっているように思いますね。

    ママチャリなどはもぅ,空気圧以外,点検する人は居ない! と言っても良いくらいでしょうし,
    ちょっとしたスポーツ・サイクルでも乗りっぱなしだと思います。
    (かくいう自分も,ママチャリは放置状態ですから…爆沈)
    しかし・・・ママさん達の乗っている(あの重い)自転車は・・・
    細いフォークで大丈夫かなぁ? いつも心配して見ているんですが・・・。

    前後に子供を乗せて走っているのを見ると,いつもドキドキしながら見ています。
    やはり,「軽車両」のイメージが無いのか・・?

  • sadaさん。こんにちは。

    やはり、夜中のお仕事が続いているのでしょうか? 私も生活のリズムが崩れ中です。

    今回の事故は怖いと思いました。1万円を下回る価格で買えるようなママチャリとか果たして大丈夫なのでしょうか…。

    おっしゃるように、「軽車両」であることを知らずに利用している人は多いと思います。
    子供二人乗せ禁止が話題になったとき「今更禁止されても困る!」とお母さん側だけの声が強調されて放送されていたことを思い出します。
    行政側も選挙のイメージを意識してのことなのかなんなのか、機嫌を取るような対応やコメントに終始してました。
    でも、本当は「今更禁止」ではなく、「もともと禁止されていた」のを「知らなかった」ことを理由に違反していたのは、「困る」とおっしゃったご本人なんですよね。
    では、3人乗り自転車を開発して安全性を確保しましょう、といえば「高すぎる」と文句を言う。

    果たすべき義務を果たしていない人が、的外れな主張をしてもそれはわがままにしか聞こえません。

    3人乗りのままふらふらと混んだ歩道に突っ込んできて、人にぶつかりそうになり、こけそうになる人。あるいは実際に転倒している人たち。
    自分で後ろから突っ込んでいながら、自分に道を譲らない歩行者が悪いという態度をとる人。
    自分たちがどういうことをしているのか、一度ぜひ客観的に知ってほしいと感じます。それを把握した上で行政に陳情したりするのであれば、わがままではなく立派な改善提案になると思いました。

    あ、生意気言ってしまいました。

  • こんばんはです

    まえに国の機関から指導があったという案件を見聞きしていましたけど
    それが裁判になったのですね、サスペンションフォークの不具合等は
    数年まえに、販売店(小売店)さんへの通達が済んでいたようですが
    私や Icofitさんが大好きなブランドでさえも、リコール対策への不満が
    あったように、とっても難しいくて微妙な取扱いになる話題ですね (苦笑

    被害に遭われた方は大変でした、もしも私の Blogでもネタ混じりに
    載せている「出発前には落下試験」や「ペダルを斜めにギシギシ」と
    いうようなコトを御存知だったのなら、少しでも怪我が軽減されていた
    かもしれないなぁ・・とも思います、ギシギシでアウターレッグが
    BIANCHIで駆け出すまえに砕けていたら、事故に遭わなかったかもです

    ちゃんとしたフォークでも「このパーツは、この使い方まで」みたいに
    判断をするコトは重要ですし、ドライブ系などもワークスチームクラスが
    XCレースのほうでは XTRなのに XCマラソンでは XTを使う事実のように
    そのパーツの用途や耐久性なども、経験者の方や Shopが教えていかないと
    ダメなのかなあ、なんてコトも?今回の事例を見聞きして思いましたです

    ちなみにママチャリなどのフォークですが CrMo鋼管やハイテン鋼管は
    カーボンやアルミを見慣れている我々には、信じられない薄さや細さでも
    凄い強度がありますよ・・まぁ、手入れを怠れば朽ちて錆びて崩壊をしまs(ry

  • 赤が好きさん。こんばんは。

    この件についてはいろいろな思いがあるのですが、デリケートな問題ですよね。

    > 「出発前には落下試験」や「ペダルを斜めにギシギシ」
    これはとても重要なことかもしれません。
    これくらいやっていると、おっしゃるように駆け出す前にフォークが抜け、大事に至らなかった可能性もあります。
    もう起こってしまったことは取り返しがつかないのですが、こういう事案が続くことがないよう、乗る側も護身を心がける必要があるのだと再認識しました。

    > CrMo鋼管、ハイテン鋼管
    最近処分したCrMoスポルティーフなんかは細かったのですが、強い構造をしていました。
    でも、自宅駐輪場に置かれている各種のママチャリ。
    私のところもそうだったりしますが、ゆがみがあったりして丈夫とは…思えないです(苦笑。

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