沖縄空手剛柔流

沖縄空手剛柔流

沖縄空手剛柔流

現在、高校時代に習った剛柔流空手の練習内容を改めて整理しなおしているところですが、すでに卒業後23年も経過していることから記憶がはっきりしない部分があります。
ネットで検索したり、いくつかの書籍に当たったりしたのですが、私が初めて習った型の普及型第一、その次の普及型第二という型がどうもみつからないのです(剛柔流開祖 宮城長順先生創作の撃砕第一、撃砕第二をもっと簡単にしたような型です)。また、先輩方が鹿児島の地方大会で演じていた撃破第一、撃破第二という型、私が得意とした鶴破第一、習うことがかなわなかった鶴破第二という型もなかなか見つからない。鶴破第一は、私が日本大学文理学部体育学科(当時)を受験する際に、受験科目の一つとして自分で選んで演じたこともある思い入れのある型です(合格したのに、体育科には行かなかった…)。
撃破については金城嘉孝先生により月刊空手道に紹介されたことがあるということはネット検索で見つかりましたが、鶴破に至っては唯一、渡口政吉先生の尚礼館(尚礼舘)で教えられていた、という情報が見つかっただけです。

そういえば、1990年頃にも、自分が習った空手を整理しようと試みたことがあり、その中の書籍に尚礼舘に関する書籍があったような気がしました。そして見つけたのがこの『沖縄空手剛柔流』です。
ここに、撃破第一、撃破第二、鶴破第一、鶴破第二という型が渡口政吉先生により創作されたという記述を見つけることができました。渡口先生は8つの普及型を作り上げたそうです。宮城長順先生の撃砕第一、撃砕第二と合わせて普及型が10個になるとのこと。

高校の空手道部は比嘉世幸先生の系統で、母体となる道場も尚礼舘ではありませんでした。また、少なくとも鶴破一は、微妙な差はあってもほかの剛柔流系の空手道部の生徒も演じていたことを記憶しています。空手界の横の交流によって伝わったものでしょうか?
ちなみに当時私が所属した空手道部もしくは師範(監督)の道場、本部道場で練習されていたのは以下の型でした。

【普及型】
(1) 普及型第一 ○
(2) 普及型第二 ○
(3) 撃砕第一 ○
(4) 撃砕第二 ○
(5) 撃砕第三 ○
(6) 撃破一 ○
(7) 撃破二 ○
(8) 鶴破一 ○
(9) 鶴破二

【古式の型(と部内では呼んでいた)】
(1) 砕破 (サイファ) ○
(2) 征遠鎮/制引戦 (セイエンチン) ○
(3) 十三 (セイサン)
(4) 十八 (セイパイ) ○
(5) 三十六 (サンセイルー)
(6) 士壮鎮/四向戦 (シソーチン)
(7) 久留頓破/来留破 (クルルンファー)
(8) 一百零八 (スーパーリンペイ)

【鍛錬型?】
(1) 三戦 (サンチン) ○
(2) 転掌 (テンショウ) ○

○が付いている型は私が高校時代に習うことができたものです。
撃破一、撃破二は記憶が曖昧で、多分自分が今通してできている(体が覚えている)のは撃破一のような気がします。これは識者に確認しないとわからないですね。鶴破一は今でも動きを覚えています。
渡口先生の門下では「鶴破第二」のあとに「白鶴」という型もあるようです。
このほか、本部道場の館長が鹿児島県大会の型試合用に送ってくださった「龍拳」「虎拳」という型もありましたね。はっきりと記憶していないのですが、前者は鹿児島の県大会、後者はそのあとの九州大会以降で演じた記憶があります。今では実演可能な型が制定されているはずで、このような創作型で大会に出るようなことはありえません。当時の私たちも受理こそされましたが、翌年からは一般的に認知された型でエントリーするように言われた記憶があります)。これらの創作型はクルルンファーとスーパーリンペイから一部抜き出した技術を組み合わせたもので、難度が高く、残念ながら私も部分的にしか記憶していません。

とりあえず、この書籍で撃破と鶴破についての記述を見つけることができ、ちょっとほっとしました。

また、この書籍の重要なキーワードとして「解裁」という言葉があります。古流型の各動作を先人が意図したと思われる実用法として、2人で行う組み手に再編成し直すことだそうです。もちろん私たちもその一部は習いましたが、たまたま私たちが習った解裁は、この書籍では「誤った解裁の例なのだそうです。型を見たままの分析しかしなければ、本当のことはわからないといいますが、でもある程度まで技量を高めた方々がそれぞれ違う解釈をされているというのは、「型がどうにでも解釈できる」という特徴を持っていて、「本当はなにも隠されていないものを発見したように勘違いしてしまう」危険もあるのだということだと思います。

※ 高校時代の私たちは「かた」のことを「形」と表記していましたし、高校の競技でも「個人形」「団体形」と表記するようですが、「型」と表記する場合も多いし、私はそちらのほうがしっくりくるので「型」と表記しました。

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