Westone イヤホン UM3X

Westone UM3X

前々から「3 Way」イヤホンに興味を持っていて、ユニバーサルタイプ初の「3 Way」イヤホン Westone 3にかなり興味を持っていました。

しかし、各所のレビューを見たところ、Ultimate Ears Triple.fi 10 Proとの使い分けが難しいのではないかと感じました。視聴すらしているわけではないので、実際のところは大きく傾向の異なる両者なのかもしれないけど、新たにお金を出して買う、というところまではモチベーションが上がらなかったのです。

そんな中、Amazon.co.jpを見ていたら、なにやら「UM3X」なる新製品が出ているではありませんか。こちらもTrue 3 Wayであり、モニター用途のイヤホンなのだそうです。

こちらに関してはすぐにツボにはまってしまい、気がついたら予約注文してしまった自分がいました。販売開始直後に価格が大幅に下がったので、かなりショックを受けたのですが…。まあ、仕方がありませんね。

届いてみると、今まで購入した高級イヤホンと比べて付属品がかなり寂しい感じです。モニターイヤホンということでどちらかというとセミプロ向けの指向なんでしょうか。

最初は、上の写真に見られるコンプライのパッドを使って聞きました。これは他社のモニターイヤホンであるShure E5cを聞いたときにも思ったのですが、非常に平面的な感じの音を出します。高域から低域もフラットであるように感じました。最初から解像度は高いと思いましたが、一つ一つの音の分離はそうでもないように感じます。ものすごい情報量が一度に押し寄せる感じで、私の耳がついて行けなかったのかもしれません。10 Proのような音場の立体感や広がりなども感じてみたかったのですが、どんなに耳をこらしてもそんな感じはしません。

レビューでは低音がすごいみたいな感じで書かれていましたが、低音の量とかは10 Proほどではなく、引き締まった感じの音に聞こえました。低音がボワつくという意見もちらほらみましたが、私はそれは感じなかったです。

高音は10 Proのようには伸びていない感じで、ボーカルは前に出てきますが若干ベールがかかったような感じです。

音の情報量はすごいけど、なんかおもしろみがないなあ、というのが正直なところでした。まあ、モニターイヤホンだから、こういう傾向なのかも、と思った次第です。その後コンプライのスリムチップと、Shureのソフトフォームイヤパッド(黒弾丸)をためしましたが、後者のほうが音の迫力と分離が良くなるように感じられます。

これがエイジングによってどう変わるかもためしてみたくなりました。まだ、故障品交換になって帰ってきたばかりの10 ProとこのUM3Xを同時に、私が普段聞く音量より高めで数百曲連続して流してから、改めて聞いてみました。

10 Proのほうは、前日に聞いた状態から比較して、とても音の分離が良くなったように感じられました。特に左側の音が出ていないように感じられていたのですが、標準ケーブルに戻してからまた100曲以上ながしたら、その問題も解決です。

これは、と期待してUM3Xを聞いてみたら…。前日に聞いた状態と全然変わらない印象でした。まあ、最初からかなりいい音だったので(10 Proももちろんそうでしたが)、エージングとかバーンインの効果はほとんどないのかもしれませんね。

と思いつつ、しばらく使い続けていたら、ある日UM3Xの音の分離が良くなっていて、前後の奥行き感や立体感が出てきていることに気づきました。以前はどんなに注意して聞いても平面的な音にしか感じられなかったのに。もちろん、私の「耳慣れ」ということもあるのでしょうが、バーンインによるユニットのなじみなども出ているのかもしれませんね。

コンプライのチップだと高音が犠牲になると聞きますし、10 Proに使用したとき明らかにその傾向がありました。でも、同じコンプライのチップを使っていても、以前より高音がよく出ているような印象があります。コンプライのチップ自体がなじんできてる?

ただ、1ヶ月使用してみても、ボーカルについてはやはり一枚フィルターがかかっているような印象を受けます。ER4Sや10 Proのような、ザラザラ感がありません。現在、E500はシンガポールに預けたままでしばらく聞いていないのですが、E500はボーカルは前面に出て、しかももっと質感が良かったような記憶があります。

せっかくボーカルがこれだけ前に出ているので、UM3Xももうちょっとボーカルがクリアだったらいいのに、と感じますね。

音の情報量は多く、すごいイヤホンであることは間違いないと思います。ただ、「音楽を楽しむ」という使い方とはちょっと趣を異にするイヤホンなのかもしれません。

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