温故知新 – Apollo Exerciser アポロ・エクササイザー

一昨日、「発送したよ」の連絡を受けた荷物が、今日の昼には到着。

sekaimonの利用は初めて。ネットでは様々な評価がありますが、私の取引はスムースでした。中身が何かというと…。

これです。うわっ。懐かしいな〜。

私達の年代くらいだと、知ってる人は結構多いんじゃないですかね。1980年頃、「リングにかけろ!」というマンガが非常に流行っていて、その中でこの器具が登場していたらしいのです。しかしながら私はこのマンガを読んだことがなく、正確なことは分かりません。

私が興味を持ったのは、高校一年生のときに体育の先生が「アポロという機械がある。スポーツトレーニングの現場で使われるようになっている」という説明をしたことに始まります。その後、バスケ部の友人が「アポロをつかったら、垂直跳びが20cmくらい伸びた!」なんていうので、これはマジにほしいかなと思いました。

当時私は学校の空手道部に所属していました。当時は全国大会の常連校で、2年生になったら私達もリアルに全国大会を目指さなければならない状況にありました。なぜなら、3年生が2名しかおらず、5名構成の団体戦の人員が足りないからです。2年生も3名しかいないので、本当にギリギリなんですね。

ところが、高校1年の頃の私は160cm、体重が48kgしかなく、非力でした。腕相撲も空手部の中で一番弱かったため、先輩からとにかく筋力を付けるように指示が出ていました。

そこで、高校2年生になってからだったと思いますが、この機材の購入を決めました。当時は、輸入代理店の「フィットネス・アポロ・ジャパン」さんが取り扱う「アポロ・エクササイザー」と、別の業者が名前を変更して販売していた「NASA スペーストレーナー」が通信販売で売られており、私は前者を選択。とある通販で「ブルース・リー 秘伝 截拳道への道」「甦れ!ブルース・リー(福昌堂版)」と同時に購入したのを覚えています。

ICO / Fitness Club Onlineには過去に記事を書きましたけど、時は新しい筋力トレーニングの概念が次々と生まれていた1960年代。重量物を使った筋トレではテコの比率や動作中の加速による慣性によって、全可動域中筋肉に最大限の負荷をかけられる域が限られてきます(アイソトニック・トレーニング isotonic training)。これに対して、動かないものを動かそうとするような運動(アイソメトリック・トレーニング isometric training)も当時かなり研究されていて、かのブルース・リーが積極的に採用していたことも知られています。これらは全力に近い力を発揮することができるものの、エクササイズ中にほとんど関節の動きが発生せず、現実のスポーツの動きとの乖離がありました。

これに対して生まれたのがアイソカイネティック(アイソキネティック isokinetic)理論です。日本語では等速性運動と訳されていましたが、動作に時間的制限を設けて加速を抑えることで、関節可動域内で常に最大に近い負荷をかけられるといいます。当時1,500万円もするサイベックス・マシン(cybex machine)でしか実現できなかったため、その後加速を抑えるさまざまな方法を用いたマシンが開発されました。スポーツの世界ではミニジムという遠心抵抗を用いたマシンが主に用いられていたみたいですけど、摩擦抵抗を使うことによって一般のアスリートでも簡単に採用できるようになったのが、今回のアポロ・エクササイザーでした(そういえば、輸入代理店のフィットネス・アポロ・ジャパンさんでは、油圧を使用したエリエールという1,500万円級の測定マシンも扱っていましたね)。

重量物やバネなどを用いたアイソトニック・トレーニングでは、重りを持ち上げていくとき、あるいはバネを伸ばしていくという往路の動作(ポジティブ・ワーク)と、負荷に抵抗しながら重りを下ろしていく復路の動作(ネガティブ・ワーク)の両方があります。もちろん、種目によってどちらが往路でどちらが復路かは異なりますが、ポジティブ・ワークは筋肉が短くなりながら力を発揮する動きで、ネガティブ・ワークは筋肉が長くなりながら(外力で引き伸ばされながら)力を発揮する動きです。

しかし、アイソキネティックは基本的に往路も復路も「ポジティブ・ワーク」になります。ダブル・ポジティブとも言われますが、基本的に押し出したら自力で引き戻すのです。往路と復路では使う筋肉が違うんですね。

簡易アイソキネティック・マシンであるアポロ・エクササイザーはシングル・ポジティブ。つまり往路の動作しかありません。

さて、長くなってしまいましたが、こんなマシンを当時からオタッキーな高校生の自分が買ったわけです。最初はなんか意味がわかりませんでしたが、シリンダーを回転させてヒモの巻き付け回数を多くすると、負荷がどんどん大きくなっていきます。少しずつ面白くなってきて、まず数ヶ月間一生懸命トレーニングしてみました。

そうしたら、明らかに変わりました。まあ、自然な成長に伴う体重増加などもあったのでしょうが、筋力が飛躍的に伸び、わずか数ヶ月で腕相撲は空手部内再弱から最強になりました。垂直跳びは学年1位にはなれませんでしたが、2-3位くらいまで伸び、三段跳びは学年1位にまで上り詰めました。小学校から中学校にかけて運動神経が鈍すぎて、5段階評価の2しかとれなかった私には奇跡的な出来事で大きな自信につながったのですよ。

…こんな話を現在高校1年生の長男にしてみたら、このアポロ・エクササイザーに俄然興味を持ち始めました。いやいや、あなたの学校のトレーニング施設にはもっといい機械があるでしょうに。

ところが、私が持っていたアポロ・エクササイザーは、20代前半のときに私と同じ武術道場に通っていた先輩に譲ってしまいました。当時フィットネス・インストラクターとしていろいろな施設を自由に使えたこともあって、アポロは完全にその用途を終えていたように思ったからです。

それで、某巨大オークションや記事を検索しまくったのですが、残念ながら見つからない。しばらく調べたあと、eBayに2点出品されているのを見つけ、迷わず落札。セカイモンさん経由でめでたく再入手できたわけです。

久しぶりに扱う感覚に戸惑いましたが、慣れると適切に負荷をかけられます。古いのに、新鮮な感覚。ここのところ自重でのトレーニングしかしていなかったので、それ以上の負荷をかけることで、また違った刺激があります。

それに、今回嬉しいと思ったのは、これ。

私が購入した当時は、この片手用ハンドルが付属していませんでした。ですので、リングにかけろのような練習を実現するためには(笑)、人差し指と中指の間からロープを通す必要があり、大きな力を加えるとちょっと痛い。別の会社が名前を変えて販売しているNASA スペーストレーナーの宣材イラストはこのハンドルらしき形状で描かれていたので、そっちを買った方が良かったか、と一瞬後悔しましたが、NASAスペーストレーナーの同梱品を見てもこのハンドルはなかったと記憶しています。

さて、ここまでに試したのはアームカールとアップライト・ロウイング、ショルダー・プレスですが、よく効きます。

これで高校時代と同等以上の筋力を付け、MTBにも役立てたいと思います。

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