LEE SIU LOONG MEMORIES OF THE DRAGON vol.1 (大型本)

いつの間にかAmazonのほうでも販売していたんですね。
これを購入して、初めて見たときは今までにない衝撃を受けました。
まずは、私が想像した以上に重く、大きかったこと。これからどこに保管しよう? と悩んでしまいました。
しかし、すごいのはやはりその中身でしょう。私はそこそこ、ブルース・リーに関する本や写真集を持っているほうだと思うのですけど、この写真集はちょっと違う。1ページ1枚という形ですので写真は相当に拡大され、ある意味鮮明さを失っている部分はあるかもしれません。しかし、ここに公開されたのは彼が世界的に有名になる前の写真ばかり。基本的にプライベート写真が大部分なので、まるで彼の息づかいさえ感じられる気がしました。同時に、彼が故人であるが故の切なさまでも感じてしまうのですが。
最後のほうに、写真がどういうシチュエーションでとられたものなのかの解説もあり、とても興味深いですね。

驚くのはそればかりではありません。詠春拳をはじめとする中国武術を行っているときのブルース・リーの写真をみると、後年の彼を思わせるような表情がありません。非常にリラックスをして、軽くほほえんでいるようなものすらあります。かなりハードなフォームやエクササイズを行っていながら、なんでもない、普通の表情を保つことがどんなに難しいことか。おそらく彼はほとんど完全に必要な力を必要な分だけ出力し、一切の無駄な緊張を発生させないような体の使い方ができた、ということです。きわめて高度なディファレンシャル・リラクセーションといえます。

後年、ジャッキー・チェンがブルース・リーのよく知られたいろいろなパフォーマンスを「俺ならもっと上手にできる」と言わんばかりに映画やスチールで見せています。両手を床について両足を上に上げて体を浮かせるパフォーマンスや高いところから釣り下がったロープを腕だけで登るというパフォーマンスでは、確かにジャッキーのほうが足もピンと伸びて見た目にきれいな感じがします。しかし、顔や首の周辺などがものすごく力んでいて、膝が多少曲がっていても自然に顔がゆるんだブルース・リーのパフォーマンスとはまた趣が異なりますね。

私が購入した版には遺品プレゼント応募用のはがきがついてきました。残念ながら当たりませんでしたが、この写真集は完全に、私の宝物の一つとなっています。

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