ボディバランスを獲得するスタビライゼーション―身体能力を著しく向上させる実戦的トレーニング (からだ読本シリーズ)
最近、スタビライゼーション系のエクササイズがもてはやされていますね。特にピラテスや、ピラテスにその一部の要素を採り入れられたヨーガは、現在では専門のスタジオで行われるだけでなく、スポーツクラブの人気種目になっています。
この書籍は、ドイツで指導されていたドリルや、東洋体育で用いられている各種エクササイズを、中央学院大学教授の小林先生が「スタビライゼーション・エクササイズ」としてまとめられたものです。話は逸れますが、東洋体育では古くからこういったスタビライゼーション系の安定感維持、向上エクササイズが開発され、行われてきました。
私自身も中国武術を練習してしましたが(基礎練習は今でも行っています)、先人の知恵に感動させられます。
さて、私自身は人気のピラテスでとる姿勢を見たりとったりすると、ときどき違和感を感じる場合があります。それは、私がこれまで勉強してきた身体運動学的な基礎知識と相容れない部分があったりするからだと思いますが、このスタビライゼーションについては、かなりの部分でしっくりきます。それぞれの動作、といっても最初の段階では易しい、動きの小さい姿勢が多いのですが、豊富な写真と簡易な解説で、とてもわかりやすい内容になっています。この本を見ながら、初級エクササイズを行うこともさほど難しいことではないと思います。
基礎的な筋力を高めてパフォーマンスを上げたい人、関節の安定性を高めて怪我を予防したい人、運動不足を解消したい人など、幅広くおすすめしたい書籍ですね。