今日の午後は、フィットネスセッションの最終日に開催された「立禅と三軸呼吸」という講習会に参加してきました。養武法の大関智洋先生のクラスです。実はフィットネスセッションの代表様に2年前から「ぜひ体験してみてください」とご紹介いただいていたのですが、今年ようやくスケジュールが合いました。
私ももともと空手や中国武術を経験しているので、武術的な側面に関しては興味はあるのですが、今回のテーマに「呼吸」があり、これが一番の楽しみでした。私は空手では「三戦」「転掌」などを通じて呼吸法を学んだことはありましたが、中国武術のほうではすべて「自然にやって」と指導されていたので、体系的に呼吸法を習ったことがないのです。
お会いしてみると、とても柔和な方でした。また教え方が理論的で具体的なので、そのイメージ(意念)から姿勢と動作を導き出す上で、とても理解がしやすかったと思います。3時間という短い時間体験しただけなので、その表面に触れる程度しかできなかったのだと思いますけど、立ち方や姿勢は私が習っていた武術にも近い形で応用がしやすいため、しっかり練習すればかなり役立つと思いました。というよりもう少ししっかり習ってみたくもなっています。
今回、(恥ずかしながら)はじめて木刀の握り方を習いました。イメージしていたものと全然違いました。自分が持つととても頼りない感じがするのですが、先生やお弟子さんが持つと芯がピシッとしてみえます。
先生は私たちの要望を受けて、呼吸と動作の連結を教えてくださいましたが、時折垣間見せる武術の技が半端じゃなくすごかったのです。攻撃はすべてノーモーションでつながっていました。過去にブルース・リーのお弟子さんたちが「打たれたあとに手が飛んでくる」という表現を用いていたと読んだことがありますが、まさしくそれ。若き達人と伺っていたのですが、その通りでした。
先生は体格があるのですが、力に頼らない動きで相手を崩します。私が過去に習っていた先生方とも共通する「とらえどころのなさ」がありました。経験者と未経験者で組んで、お互いの力の弱いポイントを見つけて「崩す」練習を行ってみたのですが、先生は明らかに違いました。最初に手を合わせた瞬間、手応えがないのです。かと思うとものすごい圧力が発生して、瞬間的に重心と軸を奪われます。たった数分の間で何回重心を奪われたかわかりません。「あ、本当だったら床に叩きつけられて決められているのだろう」という感じも何回もありました。
こういう形で「崩し」を練習したことがなかったのですが、似たような練習は今でも時々やっていて、ここ10年で私の重心が崩される経験はしたことはありませんでした。今日は先生はもちろんのこと、先生のお弟子さんのみなさんにも軸と重心を持っていかれました。いい体験をしました。
おまけですが、「縦に蹴る回し蹴り」の蹴り方を具体的に知りたいと思っていたのですが、なんと講習会の最後のほうにそれが出てきました。真上から下に落とすような蹴り方ですが、先生が見せてくださった蹴り方はとても実用的なフォームでした。どうしてもまねできなかったのが、膝を入れるときの骨盤の動き。いろんな蹴り方を見てきましたけど、ちょっと予想外の動きをしていました。
今回は三つの基本的な軸と呼吸がテーマでしたけど、講習会によってはおそらくもっと武術の側面を強調したものや、療法的な側面を強調されたプログラムを紹介することもあるのではないかと思います。私もいいおっさんで、人と戦うとかもうそういうことは考えたくない年頃になってきているのですが(苦笑、まだまだ身体能力は開発可能だと思うし、現実的な側面ではいろんな事件や事故に巻き込まれる可能性は決して低くはないと思っています。危機管理の側面からも、先生の武術は最適ではないかと感じました。
最後に、あとで気づいて失礼をわびたのですが、一緒に講習を受けられた方の中にフィットネス業界の大先輩、先駆者の方がいらっしゃったのです。拝見したことがあるお顔だとは思ったのですが、名刺交換をさせていただくまで気づかず、大変な失礼をしました。
養武法については、今後も機会を探して継続的にいろいろと受けてみようかと思います。今日はありがとうございました。