SHURE E5cを購入してからというものの、AACエンコードされた楽曲とApple Losslessでエンコードされたそれの音質の差を明確に感じられるようになったため、ほとんどの楽曲をApple Losslessで取り込むようになりました。それもあって、現在はiTunes Storeでは購入せずに中古CDやCDのほうを買うようにしています。最近購入したヘッドホン、BOSE IEだとiTunes Storeで購入した楽曲もApple Lossless形式でCDから取り込んだものも、あまり意識することなく楽しめますけど、一番よく使うE500PTHでは両者に大きな差を感じてしまうのです。
そんな中、Mac People 2007年2月号に『特集2 エンコード方法と視聴環境でこれだけ変わる!!-マックの音を極める』という記事を見つけました。これによると、Apple Losslessフォーマットより明らかに非圧縮のWAVやAIFFのほうが音がいい、とのことです。Losslessだと、再生時に非圧縮フォーマットと同じ情報を再現できるはずなのに、なんででしょうね?
また、44.1kHzで記録されたCDを48kHzでオーバーサンプリングすると、音質が改善される可能性まで示唆されています。
個人的にはApple Losslessと非圧縮WAVやAIFFとの差が感じられるとは思いませんでしたが、ためしてみる価値はあると思いました。誌面ではAIFFよりWAVのほうがおすすめのようでしたので、WAVエンコーダで、48kHzのオーバーサンプリングを試みることに決定。果たしてその音は?
もしかしたら勘違いもあるかもしれませんが、私が好んで聴くPOPSのジャンルでは明らかに音が良くなったように感じました。変な表現かもしれませんが、音の要素の間にさらに小さな音の粉が詰まったような感じで、女性ボーカルの声の自然さと柔らかさが増したような気がしました。
このあとAIFF + 48kHzオーバーサンプリングもためしてみたのですが、こちらはなぜかApple Losslessとの差をあまり感じません。これは曲目やCDに収録されたもともとの音の状態にもよるのかもしれません。
WAV + 48kHzオーバーサンプリングについてはとても気に入ったのですが、一つ問題が発生しました。WAV + 48kHzのオーバーサンプリングでは、一つの曲を再生し、次の曲を再生し始めてすぐのところで音飛びが発生してしまうのです。音はいいかもしれませんが、ちょっと気になる…。
今日、よく聴く楽曲のみWAV + 44.1kHzで取り込みなおしてみましたが、取り込み直前まで必ず再現していた音飛びがなくなっているのを確認しました。オーバーサンプリングされたものとの差も私には聞き取れなかったので、しばらくはこれでいこうかと思っています。
しかし、非圧縮のフォーマットを選ぶ、ということはそれなりの問題もはらんでいます。
なにより、ファイルのサイズが大きくなり、ディスク領域を圧迫します。またそのことによって内蔵されたHDDが処理しなければならない領域が大きくなるわけですが、これがiPodの電池を消耗する原因となることが考えられます。
音の情報量が増えることによって内部のチップにも負荷がかかるかもしれません。
ほんのちょっとの音の差を重視するか、そのために、音飛びを我慢するか。格納曲数や電池の持ちを重視するか。適当な落としどころを見つけてのトレードオフが必要になりそうです。