ロードバイク Bianchi ML3 Veloce Mix(以下ML3)を購入して2ヶ月半が経過した。
この間に1200kmほど走行し、3度ほど軽い洗車・注油などのメンテナンスを行っている。
このML3に関しては、一目惚れして購入しただけであり、本当に所有欲が満たされた感じが強い。他の人がどう思うかはわからないが、私にとってはやはりかっこいいし、乗る気にさせてくれるバイクである。
ただ、不満な点がないわけでもない。このML3は購入当初から前輪のほうからのきしみ音があった。走るうちになくなってしまったのだが、購入時の調整不足だったのだろうか? また、フロント側をアウターチェーンリング(前側の歯車の外側の方)にし、リアをローギアにしたとき(9、10段にしたとき)の具合が当初からよくない。ここに設定しているとカタカタ音がしたり、停車状態からスタートするときにチェーン落ちが発生してしまうのだ。やはり、10段という深さには限界があるのではないだろうか? 購入後1ヶ月は無料で調整するという話だったのでショップまで持っていけばよかったのだが、その機会を失ってしまった。
本来ならこれくらい自分で調整すべきなのだろうが、部品をイチから購入した場合と異なり、説明書がないのだ。しかも、経験のないカンパニョーロ(Campagnolo)のパーツなので、私の下手くそな調整で他のギアがおかしくなってしまうのもいやだ。とりあえず現状はほったらかしにしているのだが、それでもこれらのギアを使わなければ走行に問題はない。
ロードバイク用の姿勢にも大分慣れてきた。ただ、現状では必ずしも理想的なライディングポジションをとっているとはいえないかもしれない。
このバイクは本来、バインディングペダルと対応シューズを使用し、シューズの拇指球の部分をペダルに固定して漕ぐことにより、効率のよいペダリングとライディングポジション(姿勢)を実現できる。しかし、私がバインディング対応シューズで走ったのは、このバイクにしてからはたったの1回にすぎない。シューズを恒常的に使えれば、さらに正しい姿勢と力の配分をマスターできるのだろうが、あれは本当に歩きにくい。あのシューズで歩くことは体に強い負担をかけてしまうことになるのだ。私の場合、自転車に乗ること自体も一つの目的ではあるけれども、やはり自転車を使って移動し、移動先で仕事したり遊んだりすることも重要なのだ。そのために、シューズをいくつも持ち歩くことになることだけは避けたい。
現在、このロード用に対して、MTB用にSPDといわれるバインディングペダルが存在する。こちらのシューズは、自転車を降りても違和感なく歩けるようになっているし、デザインもさまざま。私は近いうちにこのSPDを試してみようと考えている。
もう一つ、現在のロードバイクに変更してから感じることがある。それは、「疲れ」である。
道に(積極的に?)迷ってはまってしまったり、遠回りを好むようになったりしてきていることもあるが、ロードバイクに乗った後はかなりの疲れを感じるのだ。
まずは先に述べた、ライディングポジションの問題があるのかもしれない。また、背中に重いリュックを背負って走ることが多く、ときどき上半身に不要な力が入ってしまっていることも疲れの原因のひとつだろう。
ただ、以前乗っていたミヤタのカーボン車”ALFREX”のときは、「疲れた」という記憶があまりなかった。このバイクのサイズも現在のバイクのサイズにほぼ等しく、バインディングペダルを使用する機会も多くはなかったので、現在のライディングポジションに似た状況だったのではないかと思う。もちろん、ハンドルやブレーキレバーのブラケット(手を乗せる部分)の微妙な設定や、サドルの位置の微妙な設定によってもポジションは変わるので、現在のライディングポジションが疲れの一つの原因になっていることは間違いないと思われる。
次に1日あたりの走行距離。ALFREXに乗っていたときと比較して今回は長めに走っている。これも一つの原因だろう。
そして、忘れてはならないのは地面から受ける振動の問題。
私がML3を購入したとき、ショップの店員の方は、「カーボンバックのANTARES 201(以下ANTARES)よりも、アルミバックのML3のほうが向いている」とアドバイスをしてくれた。
前者のANTARESは、車体の後ろ三角形の部分のうち、シートステーと言われる、サドルの下から2本に分かれて後輪を支えるチューブにカーボンを利用している。これによって、地面からの振動を減衰するのだが、店員さんによるとANTARESは私にとって、その部分のたわみが強すぎる可能性があると指摘したのだった。これはもちろん、カーボンバックの全機種がたわみすぎる、という意味ではなく、初心者向きに設計されたANTARESにいえることだと思われる。
後者のML3については、シートステーもその下のチェーンステー(シートステーの下にある、後輪を支えるチューブ)もアルミである。これらは途中でカーブを描いていて、それなりに振動吸収をする構造になっているが、カーボンほどの振動減衰性は期待できない。なにより、アルミは振動減衰性の低い素材なのだそうである。
これについて、自転車の購入で相談した友人のKさんは、「(ML3については)とてもいい買い物をしたと思いますよ。カンパニョーロだから、これからお金はかかるかもしれませんけど。ただ、カーボンバックのANTARESのほうが…」といいかけたことがあった。30kmとか40kmとか長距離を走ったときの私の疲れの原因の一つはおそらく地面からの振動の強さにもあると思うが、もしかしたらKさんはこういったことも予見していたのかもしれない。
疲れの原因の最後。それはやっぱり「年齢」? なるべく意識しないようにしているけど…。
まあ、こういうことがあっても私はML3が非常に気にいっている。パーツの多くがカンパニョーロ製であることも手伝い、私にとっては本当にかっこいいロードバイクなのだ。
BianchiはML3によく似たデザインの、カーボンモノコック(一体成形)フレームを販売している。将来、お金に余裕ができたら、こちらのフレームを選ぶのもいいかな、と思っている。そうなると、パーツも選びたくなってしまうのかな? でも、パーツに関してはVeloceの出来はよく、現状では不満足な点は何もない。
さて、ML3をほめたところで、先代のMIYATA ALFLEXについてだが、私はこのバイクを復活させようと考えている。といっても私が乗るわけではない。
実は以前より友人と「トライアスロンにチャレンジしようか?」という話が出ていた。今の私にはトライアスロンより自転車のみのレースの方に興味があるが、彼がスポーツ車を持っていないのでALFLEXを彼にゆずろうかと思うのである。彼はママチャリで片道10kmほどを通勤してしまうような人なので、スポーツ車に慣れたらかなり速く走れそうだ。
ただ、前にも書いたけど、このALFLEXのパーツはかなり傷んでしまっている。なるべくフロントディレーラー、リアディレーラー(前後の変速機)やブレーキアーチ(ブレーキ本体)などはそのまま使いたいが、ブレーキワイヤーやシフトレバー、タイヤ・サドル、チェーンなどは新しくしないと走れない。
Shimano製のパーツなら、再安のグレード(SORA)を選ぶとかなり安くで上がりそうだ。フロントディレーラー、リアディレーラーなども2000円しないようなので、もしかしたら買い換えてもさほど予算はきつくないかもしれない。
問題は、私が部品を交換できるかだ。以前も経験はあるのだが、あまりしっくりこなかった記憶がある(といってしまえば、ML3のローギア時の不調もそうなのだが)。現在、Shimanoの製品はマニュアルがとてもしっかりしていて、その通りに設定すれば絶対にその結果になるのだそうである。10数年ぶりにチャレンジしてみようかな?
いずれにせよ、その友人に相談してからだ。もしかしたら、彼はフレームが小さめの先々代ロードバイク、diossを選ぶかもしれないし。diossはもともとツーリング車だったのを、パーツを付け替えてロードバイクに変身させたものである。