私は本当に新しい物好きで、OS X Mavericksは早速試すしかないだろう、とすぐにアップグレードのボタンを押してしまいました。
OS X Cheetahから続いてきたネコ科動物名から卒業していますからね。何か大きく変わっているのだろうと。なにより、無料という思い切ったことをしていますから。
で、今はMacBook Pro Retina Displayモデルを主に使っています。プラシーボかもしれませんが、動作は「快適になっている」ような「気がします」。
がっ! でもっ。しかし…。いきなり親指シフトキーボードが動かない…。
現在、私はMacBook Pro Retina DisplayモデルにFKB7628-801をつないで親指シフトキーボード環境を実現しています。当初はFKB7628-801専用の市販のキーボードドライバで使用していました。しかし、使い勝手がWindows環境と違ってそれが結構ストレスになること、親指シフトキーの同時打鍵判定が厳しいことなどから、Tesla野良ビルド+ PCKeyboardHackに切り替えました。この方法はWindowsにかなり近い操作体系に揃えられることから、本当に重宝してきました。
これが動かなくなってしまっているのです。
Tesla野良ビルドはMountain LionにLion用のモジュールを適用していました。これで動いていたので、安心しすぎていたかもしれません。早速Tesla野良ビルドのMaverick用がないか、と探してみたのですが、さすがにまだない(笑。
ということで、ソースコードが公開されている野良ビルドを自分の環境に持って来て、Maverickの上で再コンパイルし直すことにしました。
慣れないXcode環境ということで失敗ばかりでしたが、とりあえず動く環境を実現できたのでメモ。
- Lion用の配布モジュールをダウンロード
- Lion用のソースコードをダウンロード
- Lion用のソースコードに含まれるワークスペースファイルをXcodeで開く
- Build Settings – Architectures – ArchitecturesをNative Architectures Build Machine (x86_64)に変える
- Build Settings – Architectures – Base SDKをLatest OS X (OS X 10.9)に変える
- Build Settings – Deployment – OS X Deployment Target をOS X 10.9に変える
- この状態でワークスペースのTeslaプロジェクトをビルドする(なぜかReleaseビルドをしようとすると失敗するので、今回はDebugビルドのkextを使用します)
- XcodeのプロジェクトのProductsの下に作られたTesla.kextで、最初にダウンロードしたLion用の配布モジュール内にあるTesla.kextを置き換える。
- Lion用の配布モジュールに含まれるinstall.commandを実行して、Teslaをインストールする
- Atok用の定義ファイル「nicola_kana_qwerty_atok.orig.plist」のコピーを作り、「:」の定義の中の「”No shift”」を「<ff382b>」に置き換える。
- コントロールパネルを開き、Teslaの設定で、「キー配列定義ファイルを使用する」を選択し、新しく作ったATOK用の定義ファイルを選択する。
上記のような作業が必要でした。
ちなみに、有料版のキーボードドライバもMaverick上でためしたのですが、こちらは以前提供していただいたモジュールをそのまま使用することができました。でも、やはりTeslaの使い勝手には大きく及びません。今回復活できて、ホッとしています。
現在、一瞬おかしな(通常JIS)の文字を出したり、コントロールパネルからTeslaを再起動しようとすると、例外が発生して、OSそのものが再起動される、という憂き目にも遭いましたが、それでもこの環境は貴重。
ただし、ソースコードはLion版のままです。OS Xの開発は専門外で、コードすら読めません。意味はなんとなく分かりますけど、何のためにやっているか分からない処理が多々あるからです。
自分でも勉強しようかと、Appleさんの講習会に行ったことがあるんですが、自分だけついて行けずに悲しい目にあった経験がありました。授業はものすごいスピードで進むんですから。これから空き時間で勉強はしてみようと思いますが、OS X アプリケーションデベロッパーの方がMaverick用に野良ビルドを改修してくださることをお祈りしたいと思います(ダメじゃん…。