最近、仕事の関係で大量の日本語ドキュメントを作成する機会がありますが、この点ではつくづく親指シフトキーボードを選んでいてよかったと思います。
ここのBlogでも述べている通り、今後Macintoshは急速にIntel環境へ移行していくことになりますが、私が現在使っている環境がそのままIntel Mac環境で使えるかどうかがポイントとなります。
おそらく、ポイントは下記の3点になると思います。
・ADB規格の親指シフトキーボードとUSBをつなぐiMate(Griffin Technology)がIntel Macに対応するか?
・次期ATOK(2006?)がIntel Macに対応するか?
・iMateのドライバがIntel Macに対応したとして、親指シフトキーボードRboard Pro for Macは正常に動作するのか?
まず、iMateですが、製造元のサイトでは特に目立った動きはありません。しかし、日本の販売代理店であるFocal Point Computer によれば、現在検証中となっています。非対応になっている製品もあることを考えれば、希望はあります。
次に、ATOKですが、Justsystemによれば、現行製品での対応はしないものの、次期製品での対応を示唆しています。ATOKのMac OS X版は、Windowsよりも半年以上遅れるのが常で、昨年は9月に発売になっています。今回CPUの変更があることを考えると、今年はどうなるんでしょうか? EG BRIDGEなどは早々と対応しているようなので、Justsystemのがんばりに期待したいところですね。もちろん、Macに標準搭載のことえりを使用する、という手もありますが、快適性は劣りますね。
最後に、Rboard Pro for Macが新環境で正常に動作するか、です。
もともとこのキーボードはMac OS 9で、ADB端子のもと使用することが前提の機器でした。その後、MacからADB端子がなくなったことで、USB2ADBという製品を介しての接続のみサポートされるようになりました。
そして、OS Xの時代。USB2ADBはOS Xへの対応をしませんでした。また、Rboard Pro for Macの販売も打ち切られることになります。しかし、有志の方々の研究で iMate を使用すればRboard Pro for Macを正常に動かすことができることがわかりました。さらに、すでに販売を終えたRboardの開発元、Reudo がいくつかのIMのもと、動作検証を行ってくれたおかげで、OS XでRboard Pro for Macを高い信頼性のもと、利用できるようになったのです。
今回はCPUの変更、という大きな転換がありますが、今回もRboard Pro for Macはその敷居を乗り越えることはできるのでしょうか?
これほどマイナーな製品でも、いろいろな対策を立てて何とか生き残ってきたのは、それを利用するユーザの熱意、これにつきると思います。おそらく時間はかかるかもしれませんが、何らかの方法でRboard Pro for Macは今回の課題を克服することでしょう。自分でドライバを作る、という選択肢も含めて。
あるいは、Windows用に開発された親指シフトキーボードを使う方法も選択肢に挙げることができるでしょう。現存するUSB親指シフトキーボードでは、おそらくRboard Pro for Macを凌ぐ使い勝手を実現することは難しいので、おそらく富士通製のKB-611か、OAKB-193を利用することになると思います。以前、富士通製のMac-Windowsキーボード共有機器を利用したときには、Rboard Pro for PCをTeslaという有志の方が作られたエミュレータで動かし、そこそこの使用感を実現したことがあります。いずれも、PS/2をUSBに変換する機器が必要ですが、ADB-USBほどの難しさはないようです。その場合は以前利用したCPU切り替え機を利用することになるでしょう。
以前の記録をみると、KB-611での接続にはかなり問題があるようですが、最近ATOKのカスタマイズ法がかなりわかってきたので、場合によってはうまく対応できるかもしれません。
マイナーな機器を使うとそれはもう大変なんですが、いろいろ考えを巡らしていると逆に楽しくてたまりません。