この製品は非常にコンパクトな親指シフトキーボードで、この製品のプロトタイプの評価がネットで流れたときには非常に期待しました。当時、親指シフトキーボードが搭載されているモバイルタイプのノートパソコンは市販されておらず、小型のノートパソコンとこのキーボードなら何とか持ち運べるのではないかと。
プロトタイプはPS/2コネクタを装備したもので、フルサイズのFMV-KB611と同じドライバを使うとのことでした。ネット上での評判もかなりよかったと記憶しています。
しかし、実際に市場に出てきたのは、USBタイプのキーボードで、基本的にドライバではなく、IMEを使って親指シフトを実現するものだったのです。
私はFKB8579-661を2台ほど所持していますが(EVと呼ばれる前のものです)、無変換・変換キーを(親指)シフトキーと共用するものに変更されているところに難点を感じました。どうしても、打鍵ミスが増えてしまうのです。
左親指キーと無変換キー、右親指キーと変換キーが物理的に分かれているのであれば、どうせならKB611などのようにそれぞれ独立したキーにしてほしかったものです。
また、キーの押下圧もKB611ほど軽くなく、軽いクリック感があります。KB611は金属バネですが、661EVはラバードームを使っているせいかもしれません。ネットでは、このラバードームに切り込みを入れるカスタマイズ法が紹介されていましたが、私は怖くてちょっと試せませんでした。
このため、日常的に使用するのはつらくて、現在は場所を変えて使わなければならないようなときなどに、緊急的に使う、という感じになっています。
でも、PC用としてこれほど小型の親指シフトキーボードは唯一のものであり、またこのようなものを作ろうとした制作側の意欲はすばらしいと思っています。