これは、出演者のインタビューが貴重でしたね。特に印象深いのは、生前完成の香港4作品にすべて競演しているトニー・ラウ(劉永)氏が、「ドラゴン危機一発」の撮影時に目撃した話でした。それまで、ブルース・リーがムエタイと闘い、何とか勝利を収めた、という伝説が伝わってはいたのですが、彼の話を聞くとずいぶん違っていたことがわかります。彼の話だと、ブルースの実力を疑ったタイ人のキックボクサーがブルースに絡んで、ブルースがワンパンチで倒してしまった、ということです。それも、お互いに構えて「はじめ!」というのではなく、いきなりブルースからパンチが飛んで、それで終わり、というもの。ブルースは「いまから殴るぞ」と宣言していたらしいので、必ずしも不意打ちとはいえませんが、相手に全く用意させないままたたんでしまった、という意味ではまさしく実践的なやり方といえそう。
この話は、別の研究者が発表した資料でも読んだことがあります。それによると、戦いはわずか2秒で終わった、というようなことが書いてあったと思います。
これらが本当だったら、ブルース・リーのポテンシャルはすごいですね。
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