Amazonのほうで検索して、なんか引っかからないなー、と思っていたら、なんと本のタイトルが『拳法教程 (1978年)』ではなくて『挙法教程』になっている…。一般的にはよくある間違いなんですけど、Amazonにもあるんですね。
さて、このタイトルの「拳法」とは澤山宗海先生が創始された「日本拳法」のことです。この武道からは過去にキックボクシングやボクシングのチャンピオンが何人も輩出されていますが、彼らの異常なまでのストレートパンチの強さが記憶に残っています。たとえばキックボクシングの猪狩元秀先生などは現役時代に勝利した試合の実に9割ものKO率を誇っていたと言われます。そのストレートパンチは空手やボクシングほどひねるものではなく、ちょうど45度ほどに倒した拳で相手を突くものだったらしいのですが、それはおそらく日本拳法の「縦拳突き」に由来するのではないかと思います。しかも、基本フォームを見てみると、肩からではなく体の中心からまっすぐ突きを出すようにしているのがわかります。これは、私が過去に勉強した香港の詠春拳も同じですし、その詠春拳をベースにブルース・リーが創始した截拳道(JKD)においてもその影響が色濃く見られます。詠春拳は胴体をあまり回しませんが、日本拳法ではしっかり肩を入れて打っているように見えます。
この書籍は手帳サイズで、携帯できるようになっているのですが、その中にかなりの情報を詰め込んでいるので、活字が極端に小さくて読みにくい、という弱点も…。しっかり読もうとすると結構疲れますね。しかし、組み手写真などでは若い頃の猪狩元秀先生と長江国政先生がモデルをつとめており、これは貴重な一冊だと思います。
私は1989年12月にこの書籍を古書で入手していますが、この時期は大阪に住んでいた頃です。近くの古書店がこれはまたすごくて、ブルース・リーの貴重な香港雑誌や武道の本がわんさとおいてありました。ここぞとばかりに買いまくったことを覚えています。