Lefty(レフティ)の調整

昨年9月に富士見パノラマリゾートのCコースを走ったとき、何人かの方から私のCannondale Prophet 1000に装着されたフロントフォークの動きが悪いのでは、という意見を伺いました。
このバイクに搭載されているフロントフォークはLefty Max SPVと呼ばれるCannondale社オリジナルのもので、左側からのみ支えられるという独特の形状をしています。このバイクで町中を走っていると、かなりの確率で通行中の人からフロント・ホイールの右側をのぞき込まれますので、一般の人にとっては結構珍しい存在なのかもしれません。正面からみると下の写真のような感じです。

Leftyに関しては、私が直接会ったMTB乗りの人たちに限って言えば肯定的な意見を述べる人はほとんどいませんでした。実際に私のProphetに乗ってみて「イヤな感触だ」と言った人もいます。

ただ、私の個人的な気持ちとしては、これは見た目にかっこいいし、Prophetに乗っている以上は交換することなく使い続けたいフォークです。MTB magazine Vol.39に掲載されていたLeftyに関する記事を読んで、9月の富士見でSANTA CRUZ NOMADを貸してくださったNさんの言っていたことを思い出しました。
「このバイクで下ってみた感想としては、フロントタイヤの接地感が全然ない感じがしました。これはLeftyの性能というより、セッティングだと思います。たぶん、プリロードがかなりかかっていると思います。だから、下るためには十分なサグ(予備の沈み込み)がとれていない。今後下りを楽しむためにはプリロードをゆるめてあげるといいと思います。幸いこの機種はSPV対応だから、町乗りをするときにはSPV側で調整してあげればプリロードを少なくした分をカバーできるんじゃないかな?」

確かに、サドルに腰掛けたとき、リアサスペンションだけがグッと沈んで、フロントが高いまま残っているような印象がありますね。ヘッド角69°のXCポジションにセッティングすると全く気にならないのですが、67.5°のFRポジションに変更すると、後ろだけが沈んだような感触があります。両足でグッグッと圧をかけるときにハンドルに体重を乗せると動いてくれるんですが。

MTBマガジンを読むと、Leftyは下部の重量が軽くて路面追従性が高い、というようなことが書いてあります。Nさんのアドバイスに従ってプリロードを調整すると、もしかしたらProphetは下りでの路面追従性を高めることができるのかもしれません。

それで今更ながらレフティのプリロード調整を、MTBマガジンの写真入り解説に従い調整してみることにしました。

Leftyのトップキャップは、シマノのホローテックII BB(ボトムブラケット)用の工具を使って外すことができるとのこと。今回は阿佐ヶ谷のフレンド商会で一番安いタイプ(840円 税抜き)の工具を入手してチャレンジしました。

今回は外で作業したのでちょっとわかりにくいかもしれませんが、トップキャップに工具を当てたところです。実にかんたんに回りました。ちなみにこの作業の前にリバウンド調整ダイヤルを完全に閉めておかないとトップキャップを外しにくいそうです。

そのキャップが外れると、中のスプリングと、スプリングを止めているロックリングが姿を表します。おもったよりグリスでベトベトの状態でした。一般的なコイル型のような、サスペンションオイルではないんですね。

スプリングの色は今回初めて確認しましたが、グリーンでした。一番柔らかいもので、体重53-63kgの人用なのですが、購入時の私の体重が60kg強だったので、たぶん購入店である四谷のBikitさんが合わせてくださったのでしょう。ただ、私の体重は1年で10kg前後変化するので冬期は70kg以上になります。現在体重に合わせるとブルーがいいんでしょうね。

プリロードは、Nさんの見立て通り結構かかっていました。マニュアルをみると、スプリングがアジャストリングにふれるところから8ターンくらいということですので、もしかしたらMAXに近いくらいかかっていたかもしれません。これがおそらくフラットなダートや町乗りに最適な乗り心地を演出していたのでしょう。
そこで、ロックリングをゆるめてMINに近いところまで持ってきてみました。それからトップキャップを戻すのですが、スプリングを押さえつけなければならないため、結構大変です。しかし戻してみると、リバウンド用のノブが動かなくなっている! これは大変。元のセッティングに近い位置に戻してみたり、いろいろためしてみましたが、ノブが動く気配はありません。また、プリロードをMAXに近づければ近づけるほど、トップキャップを戻すのが難しくなります。
最終的にMINに近づけた位置に固定し、トップキャップを締めたあとでリバウンドのノブは工具ではさみつけて回すことにしました。案の定、リバウンドノブは締めすぎていただけのようで、普通に戻ってくれました。
早速乗ってみると、すぐにフロントの沈み込みを感じることができました。マニュアルを読み直してみると、全ストロークの25%程度が推奨サグとなっているようです。140mmの25%は35mmです。Leftyだとインナーがむき出しになっているタイプのフォークのようには正確なサグを測定できませんが、おそらくはそれに近い範囲で沈んでいるものと思われます。何らかの方法でできないか、今度調べてみることにしますか。

ちょっとだけその辺を乗ってスラロームしてみたり、コーナリングをしてみましたが、すごくフロントが安定している感じがします。前後沈むことによって、ポジションが変わりました。もしかしたら、これで本来の67.5°に近づいている可能性があります。今まで土の上だと滑りそうで(あるいは実際に滑ったり…)怖い感じがしたのですが、このセッティングではどんな感じがするでしょうか。
今後また、微調整を繰りかえしてみたいと思っています。

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