富士見パノラマリゾートへ行ってきた。
先月の頭に行ったときには、そのほとんどの場面で恐怖しか感じられなかったのだが、かなり体調が悪かったことで、からだだけでなく、気持ちもネガティブになっていた部分があったと思う。
幸い、今日は先週の御岳山から好調を引きずっている。昨日から走るためのイメージを高めてきた。
また、前回は調布まで13km程度の自走を考慮して、本格的な下りには甘い装備だったが、今回はあえてProphetに最初から付属してきたMAXXIS HIGH ROLLER UST 2.35inchタイヤ、フラットペダル、そして上半身を守るプロテクタを準備していった。
朝、自宅をスタートしてみると、やはりMAXXIS HIGH ROLLER UST 2.35はずっしりくる。ひたすらこぎ続けないと前に進まない感じ。体調がよかったので、思ったより時間はとらなかったが、結構いい運動になっていた。
富士見パノラマスキー場は、MTBシーズンは本日が最後、ということで非常ににぎやかだった。私がProphetを購入したBikitさんに、「現在、MTBは下火」と言われていたし、その前にJekyllを購入したぬかやさんでも同じようなことをいわれていた。それでも、さすがはMTBの聖地というか、これだけの人は集まるのだな、と感心した。ただ、かなり寒い上に雲行きが怪しい。
駐車場で、大阪から来られたという、2tトラックにオフロードバイクを積んでいた人と話をした。XCバイクは持っているようだが、DHもやってみたいという。今日は大阪に帰らなければならないので、レンタルバイクでコースを降りるのは見合わせるとのことだった。
午前中はまず、Cコースで足馴らしをした。
Cコースは人が多いので、比較的ゆっくり走れた。友人はかなり先を走っていたけど、私は自分のペースでコースや乗り方を確認しながら走った。
前回は、ここをIRC MIBRO TUBLESS 2.25 inchで走ったのだが、MAXXIS HIGH ROLLER UST 2.35 inchでもあまり感触は変わらないような気がした。若干はラクだったのかもしれないが、本日は体調がいいし、前回からあまり日があいていないので慣れもある。そういった違いくらいだったかもしれず、次回からは、IRC MIBRO TUBLESS 2.25でもいいかな、と思った。こちらはMAXXIS HIGH ROLLER UST 2.35より100gも軽いし、町乗りでも非常に快適なので。また、しなやかさではIRC MIBROのほうが高価な分か、かなり上回っているような気がした。
次に、前回は行けなかったBコースである。友人はここは嫌いなのだそうだが、かなりのドロップオフがあって走りにくいと聞いている。
確かに、最初はその段差と連続に驚いたが、先週御岳山で予習をしておいたせいか、意外に普通に降りられる。あまりスピードが出せる場所はないのだが、私は結構このようなコースは好きであり、むしろCコースより楽しい気がした。
Cでドロップオフのスリルを味わったあと、午前中の最後の締めでAコースに行くことにした。
前回、最初のドロップオフで止まってしまい、装備の関係から断念したのだったが、今回はBを走っておいたおかげで、何の恐怖もなくそこをすり抜けた。最初からコーナーが連続してすごいのだが、きちんとバームが切ってあって走りやすい。すぐに、ものすごい急角度のドロップオフがあるのだが、そこはいくら何でも無理だと思い(友人は行ったことがあるらしいが…)迂回路を選択。
Aはものすごい高速コースだった。正直、Prophetに装着されたMagura Louise 6 inchローターでは、なかなかスピードをコントロールできない。もうあきらめて、スピードが出るところはそのまま突っ走ったが、かなりの恐怖だった。
でも、それもそのうち慣れてきて、なんだか楽しくなってきてしまうのである。そして、残り1kmくらいを過ぎたところで気がゆるんだのか、疲れたのか…。問題なくクリアしたと思ったコーナーで、前輪が丸太に乗ってしまい、転倒してしまった。これで右肩と左大腿部の内側を強く打撲。バイクはチェーンがはずれて、チェーンリングに絡んでしまっている。
チェーンの回復には時間がかかり、その後も後続のライダー一人に抜かれながら、下までゆっくり下った。このときには、Aコースはもう二度と見たくなくなっていた。
その後、昼食をとり、午後のライディングのためにゴンドラに乗っていると、雨が降り始めた。Aはきついので、BかCと思っていたが、だんだん雨が強くなっていくので、友人もCコースしかないだろう、と言い始めた。
Cコースに入ってみると、地面は結構ぬれている。結構後輪が滑ったりしたが、MAXXIS HIGH ROLLERは泥捌けが苦手みたいだ。もっとぬかるんでいた野沢DHマラソンを走ったIRC MIBROでは、そんなことはなかったのだが…。
私はもうちょっと無理かと考えたが、友人はもう一回行くという。何せ富士見は今日が最後だ。私ももう一度降りてみることにした。
さらに路面はぬかるんでいたが、先ほどよりは少し慣れていたためか、バイクがコントロールを失うことがなかった。そのうち、友人が前方で技術の確認のため、かなりゆっくり走り始める。私もそれに合わせて走ったが、大変ありがたいことがあった。余裕があるスピードだし、友人との距離も近いので、友人のフォームを勉強することができるのだ。
私はコーナリングで外脚に体重をかけていたつもりだったが、友人のフォームを確認し、自分のフォームを客観的に分析してみるとなにかが違う。そう、私の外脚はかなり伸びきっていてコントロールしにくい状況になっていたのだ。そこで彼を真似して膝に余裕を持たせ、思い切り外脚に重心を移すことにした。すると、初めて「ぐるん」という加速を感じたのだった。おかげで、そのあとはコーナーがくるのが待ち遠しいくらい、楽しい下りとなってしまった。
友人によると、おそらく今年最後の富士見の下りになると思ったので、ゆっくり技術を確認しながら走ったとのことであった。おかげで私も最後の下りを存分に楽しめたのだった。
不思議なもので、締めが楽しいと、あんなにイヤだと思っていたAコースの、「楽しかったところ」が次々に思い出される。そうなると、「もう一本Aを走っておきたかった!」となってしまうのである。
自宅に帰ってからは、前号のMTB MagazineのDVDでAコースのヘッドカム映像を数回確認した。今日の復習である。
次回こそはAを楽しく下りてみたい。でも、コース的にはBのほうが好みで、あのコースをもう少し早く駆け抜けてみたい、という気持ちある。いずれにせよ、来年の話だが。