前回のお話の続きです。
Rboard Pro for PCを購入することになったのは、現在の仕事先でPCを使う機会が多くなり、以前使っていたKB-211というタイプのキーボードを会社で使わなければならなくなったからです。ICOの作業効率を維持するため、自宅用に、KB-211に代わるキーボードがどうしても必要になったのでした。
しかし、1週間しか経たないうちに、もう一台の親指シフトキーボードを購入することになろうとは…。1994年末より4年あまり使い続け、職場に移動したばかりのKB-211の調子がおかしくなってしまったからです。
PCを起動するたびにキーボードエラーを起こすようになり、エディタを使っていると、知らないうちにものすごいスピードで勝手に空白行が増えていく、というとんでもない状況でした。これでは仕事になりません。
そこであわてて、新たに親指シフトキーボードを購入しなければならなくなりました。しかし、約5万円の高価なRboard Pro for PCをもう一台購入する余裕はとてもありません。そこで、前回もご紹介した、富士通純正の新しいタイプのキーボードである、KB-611というタイプのキーボードを購入することを決めました。
最初は手軽に新宿で購入するつもりでしたが、どの専門店にも量販店にも在庫がなく、結局秋葉原へ出かけざるを得ませんでした。新宿もパソコン関係の販売店が充実してきたとはいえ、このような特殊な用途のものはやはり秋葉原までいかないと揃えることができないようです。
さすがに秋葉原にはいくつかのショップでKB-611が販売されていました。富士通ショールームは定価販売でしたのでパスして、現物が展示してあった、ある富士通専門店でKB-611をGET! 2万円弱で、Rboard Pro for PCの半額以下です。
私が4年間使っていたものと同型のKB-211もまだ販売されていました。しかし、KB-611のほうはRboard Pro for PCに極めて近いキー配列を持っているので、おそらく両者を違和感なく使い分けることができそうです。その上1万円程度安価だし。もう、KB-211を選択する理由はありませんでした。
さて、そのKB-611ですが、勤務先のPCにつないでみたら、その使用感の快適なこと! キータッチの軽さはRboard Pro for PCに譲りますが、KB-611のほうが安定しています。Rboard Pro for PCは思ったよりもかなモードのずれがあり、何かのきっかけですぐにJIS配列になってしまうのですが、KB-611はほとんどそのようなこともなく、安定して使えます。
KB-211+サニコン製ドライバ、という組み合わせも非常に安定していたのですが、KB-611はそれ以上かもしれません。その点、Rboard Pro for PCはかなり見劣りしてしまいますね。
さらに、Rboard Pro for PCでBSを使ってみると、KB-211や611 と比較して、はるかに動作が遅いことが分かりました。キーボードを使うようなタイプの3Dゲームなどを使うと動きが明らかに違う! シマッタ! (2000年7月26日追記:動作が遅いのは、キーボードに内蔵されたフラッシュROMという記憶装置にパターンを転送した直後だけのよう。マシンを再起動すると直ります)。
こんなことならば、5万円も出さずに、最初からKB-611にしておけばよかった、と少し後悔…。前回の新兵器伝説は、わずか1週間で崩壊してしまったのでした!
ただ、Rboard Pro for PCの名誉のために付け加えておくと、「そのキータッチのすばらしさ」。これは筆舌を尽くしがたいものですね。KB-211も通常の106キーボードなどからするとかなりキータッチは軽いほうだったのですが、それよりも15g程度も軽いそうです。また、KB-611よりも10g近く軽いという話もあります。
このようなことから、日本語入力そのものについては、非常に高速に入力することができますよ。
ところで、この話、最後にオチがついてしまいました。壊れたはずのKB-211。かわいそうに思って最後のつもりで、キートップを全部外し、埃を取り除いて新品のようにきれいにしてあげたのです。すると、私を2日間に渡って悩ませた、あのエラーがなくなっているではないですか! どうしよう。今、私は3タイプの親指シフトキーボードのオーナー(親指マニア?)になってしまいました。