お宝 II

攔截と抽選理論を解説したもの

久々に懐かしい友人に会いました。1990年代に務めていたスポーツクラブの後輩社員だった子で、彼の在籍中に武術の練習相手をしてもらっていました。

このときに私が教えた武術が彼には大変合っていたようであり、今では彼自身が中心になって、この武術を含めた格闘技を教える立場になっています。大変嬉しいことですね。

その彼が私に持ってきてくれたのがこれ。

謎のバインダー

謎のバインダー

中身は…。

武術の指南書?

武術の指南書?

武術のインストラクションです。正直記憶になかったのですが、自習をする彼の練習の助けになるよう、私が貸したものらしいです。実際に手に取ってみたら、確かに私の直筆でした(笑。テキストの部分は古いワープロで、前書きに1988年12月14日の日付が打たれています。ということは、私が最初に中古で入手したSHARP 書院というワープロを使い、ローマ入力で作成したものと思われます。私が空手部以外で武術を習ったのは、1986-87年頃だと思うのですが、その時に習ったことはノートに細かく残していました。それを1年後に再編成したものではないかと思います。

型の分解を解説しています

型の分解を解説しています

いや、意外に分かりやすい(笑。私にこんな才能があったとは知らなかった(爆。

筆記体が…

筆記体が…

手書きの英語に筆記体が見られますが、私たちの時代は英語で筆記体を習ったものです。ただ、私は教科書の手本を見るのではなく、香港雑誌に掲載されていたブルース・リー先生の手書き文書を手本にしていたので、リー先生式の筆記になっています。学校の先生には「直せ」と怒られていましたが、未だにこの書体を使っています(苦笑。

攔截と中線理論を解説したもの

攔截と中線理論を解説したもの

攔截(相手の攻撃を遮りながら自分も打つ)と中線理論(自分の「武器」を正中線上に保つ)ということを解説した図で、ブルース・リーの死後に発売された技術解説書にも同様の写真が載っていますが、これらのイラストは私の頭の中のイメージから起こしたものです。

実際、その後の自分の武術やフィットネスプログラムまで、一番大きな影響を与えたのがこの攔截と中線の理論でした。

先生や先輩の姿の観察、自分の内観から生まれた図なので、解剖学的には多少おかしな部分もあるかもしれませんが、写真より見やすく、伝わる気がするのは気のせいでしょうか? 若い頃の自分の指南に、ハッとする自分がいたりして。

ということで、お宝 IIに認定したいと思います。

ですが、それ以上のお宝。

過去の私の生徒であったMくんと、久々に手合わせをしました。

驚きました。

最後に手合わせをしたのは15年ほど前だったと思いますが、彼の全身には力が入りすぎていて、コントロールが容易でした。正直、以降に矯正してくれる師匠がいない状態で、これ以上練習を進められるのか、内心心配していました。

ところが、今日の彼は当時の反省点を矯正し、完全に力が抜けていました。特に、利き腕ではない左腕の感覚は抜群で、私の動きに100%合わせることができるようになっています。つまり、もう私が彼をコントロールするのは難しく、また彼にも私をコントロールするチャンスが生まれた、ということでもあります。

むしろ、彼の左腕の感覚は、私が太刀打ちできなかった先生の感覚にも似ており、むしろ私のほうがコントロールされてしまう可能性もありますよ。

やはり数多くの武術仲間、格闘技仲間とスパーリングをこなし、同じ武術系統の仲間もいるようなので非常に感覚が良くなっています。一方私は、毎日練習しているとはいえ、ほかの流派の技術の練習もやっているため、彼ほどこの武術に集中しているわけではありません。それに、私はほとんどが対人練習を含まないシャドウトレーニング。完全に追いつかれちゃったかな、という感じですが、それがまた悔しいような嬉しいような(笑。

蹴りもよかったなあ…。ピンポイントで臏(膝のお皿)を蹴ってきたり、蹴り技やステップインにストッピングを出してきたり。以前はパンチだけ見てれば良かったのですが、それでは膝を折られてしまうので、全身を監視せばなりませんでした。

でも、高速なキック、パンチの飛び交う環境でのスパーリングは私にとっても久々のことでした。傍から見たらかなりバキバキバシバシと音がするので、こういうのを間近で初めて見る次男の表情には戸惑いも見受けられました。が、妻は何度も見ているので平気そうです(笑。とにかく楽しかったです。

若い頃のように動ける自分にもちょっと驚きました。頭が自分の体から離れて、体が勝手に動いちゃっていました…。最初の10分くらいは(笑。ただ、反射的に動いているんでしょうけど、なんか私ではない別の人間が闘っているような感じがしたのは、あまり体験がありません。

どうも話を聞いていると、Mくんもそう感じている部分があるようで、闘いに関しては「そういえば何も考えていなくて、体が勝手に動いてて」という感じらしいです。

6歳年下のMくん。以前は25歳 VS 30歳だったスパーリングも、今回は45歳 VS 50歳。あと5分続けていたらボロボロにされていた可能性が高いですが(苦笑、

久々にいい経験をさせてくれて、ありがとう、といいたい!

15年ぶりに成長した姿を見せてくれたMくんは、間違いなく私のお宝認定です!

併せて、練習を継続していることによって50歳の現在でも動ける自分の体もお宝ということにしておきたいと思います。だんだん、こじつけになってきたな(笑。

武術的なことしか書かなかったけど、実際にそれ以上に感心したのはMくん自身の人格的な成長です。会えなかった15年間、彼は私には想像も付かないような苦労もしてきました。だからこそ、仲間に優しくなれ、慕われるのだと思います。私の感覚もカワイイ後輩から、尊敬できる友人へ変わった感じがします。そこは妻も同じ感覚のようでした。

さて、Mくんが来る前に軽くポタリングしてきました。記録写真を載せておきます。

今日はカワ姫には会えず

今日はカワ姫には会えず

最近の楽しみ

最近の楽しみ

ハルジオンと何かの虫

ハルジオンと何かの虫

ああ。疲れた。心地よい疲れ。

 

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この記事を書いた人

コメント

コメント一覧 (2件)

  • こんばんは・・うげ! icofitさん、絵が上手いっ!
    なんと、このような隠し芸(…とはいいませんが)をお持ちだったとは。
    そう言えば以前、リー先生の肖像画(?)も出されてましたっけ・・う〜ん、やりますな!

    それにしても、この解説書。ワープロとイラストでしっかりと出来ていて、
    凄く見やすい印象を受けますねぇ・・む〜、お人柄が忍ばれるような。
    久しぶりに後輩(ご友人)に会えて、良い一日だったでしょうね〜。
    もっとも、武闘家のスパーリングなんて滅多にお目にかかれるものではないでしょうし…
    間近で見たら、やはり引きそうですねぇ(苦笑。

    • sadaさん。早速ありがとうございます。
      久々に充実した1日になりました。
      この資料、私も存在を忘れていたので(ここまで仕上げたものを作った記憶がない)、ビックリしました。分かりやすいし(笑。どこを目指していたんだろうなあ…? 将来的に道場を作りたいと思っていたのですが、その前に再度先生のところに通って、学び直さなければいけないと考えていたはずです。
      私は道場を作らなかったけど、友人は自宅ガレージに武具を取り付けて、道場として使っているみたいです。併せて、いろんな仲間に武術を教えているみたいです。
      本当に一緒に仕事をしていた当時は体も弱そうで、とても格闘技なんてやるタイプではないように見えたのですが、昨日会った彼は別人でした。勝負の前に勝負を決められるような(武術家の理想ですね)人間に成長していました。武術をかじっただけの私とは違って、もう立派な武術家だと思います。
      スパーリング、昨日は興奮して平気だったんですけど、前腕は結構ダメージを受けてましたね。彼の左は威力を増していたので、特に私の右腕がダメージを受けてました(苦笑。
      技能を保ちたいなら、スパーリングは欠かせないですね…。

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