井上拓真選手 vs 那須川天心選手

今日のプライムボクシング、すごく面白かったですね。

今日も次男のiPhoneをアクティベーションするために新宿に行きましたので、見られた試合は最後の3試合だけでしたがどれも見応えがありました。

メインは井上拓真選手那須川天心選手の世界タイトル戦。那須川選手はリズムが変則的でつかみ所がないのが特徴かと思いますが、反面、技がちょっと単発で単調なイメージが。それに対して井上拓真選手は兄の井上尚弥選手同様、オールラウンドに上手い。拓真選手、天心選手、両者のスピードは互角かなと思っていたので、変則リズムが見破られる前の早い回のKOでもない限り個人的には拓真選手が有利なのかな、とは思っていました。

試合が始まると、天心選手のアップライトな構えにちょっと違和感を覚えました。ちょっと武道系の軸の作り方で、競技的にはちょっとキックボクシング的な印象もあります。それに対して軸を固定させずに不安定さをあえて作りながら対峙している拓真選手。

試合が終わってから事前特集番組を確認したのですが、あの構えはキック時代の一番動きやすかったものをボクシング向けに改良したものだったんですね。

1Rから天心選手が拓真選手を翻弄する形で試合が始まりました。これは早い回で、ひょっとしたらひょっとするんじゃないか、と思いましたね。でも、ラウンド終わり際の人を小馬鹿にしたようなパフォーマンスはいただけない。次男が「こうやってふざけたことをやって、負けちゃったりするんだよ」と言っていました。次男は柔道整復師でトレーナーの勉強もしているので、天心選手の軸の作り方とか変化とかに敏感なこともあり、早い段階から拓真選手の勝ちを予想しているようにも見えました。私は、両者のリーチ差を感じたので挽回が難しいところもあるんじゃないかという気がしていましたね。

しかし、「やはり」と言ってしまえばそれまでなんですが、そこはやはり経験豊かな拓真選手。3ラウンドまでに天心選手の動きを見切ってしまいました。中盤から天心選手の左ストレートがあまり伸びなくなってしまったので、左の拳や腕を痛めた可能性もあると思いました。あるいは、天心選手が左を出せないような戦術を取っていたのかも。

中盤以降は拓真選手の攻撃は届くが、天心選手の攻撃は届かない、という状況になっていったように見えました。距離の制し合いって、リーチだけでは語れないというのはこういうことなんですね。

8ラウンドの採点公表で1人イーブンを付けたジャッジがいて、観客の反応同様私も「え〜?」という感じでした。差を付けにくいラウンドはあったかもしれませんが、天心選手のカウンターは当たらなくなり、拓真選手のカウンターのカウンターのほうが当たる、という感じ。おそらく天心選手が経験したことがない動きや技の連続だったことでしょう。

スピードでは天心選手が上回っている、という事前の予測ではありましたが、個人的には拓真選手のほうが圧倒的に速かった印象を受けました。天心選手のリズムが遅いのでそう見えた部分もあるんでしょうけど。スピードって単純な踏み込みやハンドスピード、単調な連携だけで測れるものではないですから。拓真選手のスピードはお兄さんの尚哉選手にも迫るものがあったんじゃないかな? まあ、尚哉選手の動作スピードや反応速度は化け物級ですからね。その尚弥選手がサウスポーに構えて拓真選手のスパーリングパートナーも務めたりしたとのことですから、天心選手のスピードには十分に対応できたのかも。バンタム級時代に尚弥選手がサウスポー構えでスパーリングしている映像を見たことがありますが、尋常ではないスピードでした。とにかく天心選手とは途中から拓真選手のスピードに対して反応が遅れ始めているように見えました。天心選手のフリッカージャブも不発で、全部読まれた上から押さえ込まれてた。

天心選手。シン・ボクシングはいいんですけど、それを言う前にやることがあるような気がしました。ただ、あれだけ打たれても倒れない天心選手のタフさにも感心。また、あれだけ動いても最後まで動きを保てる拓真選手、お兄さんにも負けていないスタミナ。メンタル的には弱いと散々言われてきたけれども今回に関しては全くそんなことがなかった。最後の一発を入れたのも拓真選手でしたから。もうメンタルがどうのこうのと言われることはないでしょう。

本当に面白い試合でした。両選手おつかれさまでした。

井上拓真選手、世界チャンピオン返り咲き、おめでとうございます!

天心選手もこれからですよ。負けを知ったことでより強くなれるような気がします。将来的にはシン・ボクシングも夢ではないかもしれない。ガンバレ!

帰ってからライドしようかと思ったんですけど、2日連続で新宿に出て、ハードなボクシングの試合を見てというあとでは疲れ切ってしまって…。休みです。

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