ソウルファイティング魂の武器

魂の武器

ソウルファイティング 魂の武器

私が中学生のとき、ブルース・リーの「死亡遊戯」を見て体作りに燃えていた頃、「月刊空手道」の福昌堂からブルース・リーの技術解説書らしき本が出版されていることを知り、大喜びで購入しました。そのときの本がこの『魂の武器』です。
当時としては非常に珍しい写真を満載した本だったのですが、「やはりブルース・リーは根本的に武道家だったんだ」ということを改めて認識させられた本でした。
それにしても、この書籍ででかいグローブをつけてスパーリングをしているブルース・リーに、大きな違和感を感じたことをおぼえています。彼の武術はカンフーがベースだ、と言われていましたが、この書籍でのブルースの動きは、カンフーとか空手とかいった、東洋的な武術とはかなりかけ離れた動きをしているように思われたのです。
高校に進学したあと、空手道部の2歳年上のキャプテンにこの書籍を見せたとき、「この回し蹴りは上半身が倒れすぎている」と評価しました。そういえば、私が所持しているキックボクシングの写真やフルコンタクト空手の技術写真と比較してみると、確かにその通りです。しかし、その後なにかの格闘技雑誌で、フランスの格闘技「サヴァテ」の写真を見て、その疑問が氷解します。ブルースの蹴りはテコンドーのものであると言われていましたが、その回し蹴りに関しては、サヴァテのフォームそのものだったのです。そういえば、『魂の武器』の中にも、ブルース・リー直筆イラストでサヴァテを紹介していました。1960年代にこの人は、こんなところまで研究していたのか!
その後、この書籍については版権がどうなっているのか、という話が出てきました。そこに収録されているスパーリング写真はBLACK BELT誌からの流用で、版権を持っているOHARA PUBLICATIONSの許可を得て掲載しているのか、という話です。実は、この書籍よりもずっと前に発売された、この書籍の元となる『秘伝 截拳道への道』についても同じ問題があると聞いています。両者とも、ファンからみたら貴重な資料だけに、それが事実なら残念な話です。

『魂の武器』中学生のときに購入した1冊目は友人に譲ってしまいましたが、その後3冊購入して、自宅に保管しています。

魂の武器

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

目次