確か中学3年生の終わりのころ。進学する高校で空手道を始めたいと思っていた私は、この『ダイナミック空手』を購入することにしました。この書籍は私が尊敬する大山倍達先生が国内で初めて出版された空手道の技術書だったからです。
空手道を始めるにあたり、私は基本だけでも予習をしておきたいと思っていたのですが、この書籍は1枚1枚の写真が大きめで比較的はっきりしていたため、動作のイメージがとてもつかみやすかったのを覚えています。高校進学が決まり、中学校最後の春休み、父の単身赴任先であった沖永良部島に持ち込んで現地でもこの書籍を見ながら練習に励んだことを覚えています。実際に空手道を始めてみると、突きに変な癖がついていたりして、後から矯正に苦労をしたのですが(笑)、この書籍で技法名をいろいろと覚えていたことは、実際の学習にとても役立ちました。
この書籍の初版は1967年3月3日となっており、当時私はまだ1歳です。紹介されている技術も伝統的な空手道のそれに近く、今改めて見てもとても興味深いものです。当時私がとても驚いたのは、試し割りの写真でした。大山先生の門下生の方々が、指先で3枚に重ねた板を割ったり、きれいな女性が3枚に重ねた1inchボードを正拳突きで真っ二つにしたり。
Amazonを見る限り、現状は古本でしか手に入らないようですが、私にとってもっとも思い入れの強い本の一つです。
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