武道・格闘技に関する知識が豊富な著者による、複数の武道の練習体系を紹介している書籍です。
ヨーガ、太気拳、意拳、胴体力メソッド、肥田式強健術、二聖二天流柔術憲法、ナンバ、常歩などを取りあげ、著者の体験から客観的な紹介と分析を行っていますが、文章を専門とする方の記述なので、とても読みやすく感じました。
この中のほとんどはほかに専門の書籍を複数冊所持しているのですが、故・伊藤昇先生の胴体力メソッドについては記事が掲載されている雑誌を持っているだけで、概要すら理解していませんでした。著者の木村氏はこのメソッドについては1年近く練習をし続けているということで、彼自身の変わっていく様子をうかがい知ることができます。そのような実体験が比較的リアルに書かれているので、私もこのメソッドについて改めて興味を持つようになりました。
武道的身体を作ることを目的にした場合、この書籍に書かれていることを実践しただけでは正直困難で、やはり直接的な指導を受けるのが望ましいでしょう。しかし、体を使うためのヒントを得たり、これから体作りや身体操作の方法を学ぼうとするときに、自分が何を選べばよいのかを判断するための貴重な資料になりうると思います。
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