私がMTBで山に行こうとすると、なぜかそれまで続いていた天気が崩れ、雨の予報になる。
しかし、典型的な雨男かというとそうでもなく、その当日には晴れるのである。
今日もまさしくそのパターンだった。先月から高峰山に行く予定にしていたのだが、週間天気予報が発表されると見事に雨。それまで寒いながらも雨はほとんど降らなかったのに…。最終的な判断を下すために前日まで待つと、雨の予報はいつのまにか「曇後晴」に!
とりあえず大丈夫そうということで、Cannondale Prophet 1000のタイヤをMAXXIS HIGH ROLLER 2.35 USTに変更し、下り向きにセッティング。あとは明日を待つだけである。
しかし、予測に反して雨はどんどんひどくなっていく。これでは現地の路面コンディションが危ぶまれる。せっかく遠くまで出かけても、満足に走れないのでは出かけた分だけもったいない気がする。そこで友人と相談し、予定を高峰山から都内にある里山に変更した。ここで、Prophetを下り向きにセッティングしたことを思い出したが、MAXXIS HIGH ROLLERはProphetにもともと付属してきたものだし、何より今から変更するのは面倒くさい。そのままで当日を迎えることにした。
そして、本日朝、8:00前に出発。走り始めてすぐ、Prophetが前に全然進まないことに気づく。普段履いているIRC MIBRO 2.25なら時速30kmを超えるような漕ぎ方をしても時速15kmくらいにしか上がらない感じだ。それどころか、漕ぐのをやめるとすぐに減速し、止まってしまう。面倒でも、タイヤは交換しておくべきだったか。約束の時刻に遅れそうだと友人に連絡した上で、往路を急ぐことにした。漕げども漕げどもスピードは上がらず、慣性もすぐに殺される感じなので、まるでずっと坂道を登っているかのようだった。
約束の場所は自宅から20km弱のところにあるが、到着したときにはかなり体力を消耗していた。それでも急いだおかげで、遅れは2-3分ですんだのは幸い。
こんなに疲れているのは、今年初めての遠乗りだった、ということも影響していると思うが、ヒップや大腿部の筋肉疲労が顕著であることから、タイヤ変更による漕ぎの重さが体力消耗の大きな原因だったと思う。
山に入ると、最初の坂を友人はぐいぐいと登っていく。対する私は脚に来ているのがはっきりわかるくらいの情けない漕ぎ方であり、ついていくのもやっとだった。友人は今回車で来ていて、私は自走、ということもあるとは思うが、友人の自転車はタイヤのセッティングこそ細くて軽いXCだが、バイクは私のものよりずっと重く、トラクション・コントロールが難しいハードテールだ。また、以前友人はこの坂をそのバイクで登り切ることはできなかったはず。体力的なものもそうだが、おそらく技能的にかなり進歩しているのだろう。
その後、彼がショップのイベントで聞いたという外周コースを案内してもらった。以前走ったルートが多いが、その時は各コースをつなげることができず、断片的にしか走ることができなかった。しかし、今回はこれらをうまくつないで適度な距離を1周することができる。適度な起伏があり、面白いコーナーや下り、ドロップオフもある。
しかし、友人はかなりのスピードで進むけど、私は全くついていかなかった。まず、路面が滑りやすくなっていたこと。登りで後輪に十分なトラクションをかけようと思うと、どうしても滑ってしまう。また下りでバイクを傾けると、ブレーキもかけていないのに前輪が横滑りしてしまう。バイク重心のとり方に問題があるのだろうが、MAXXIS HIGH ROLLERはマッドタイヤではないので、泥はけが悪い。タイヤのノブには常に泥が詰まっているので地面をグリップしにくくなっているのだろう。1年ほど前からこのコースは走っているのだが、私は今まで一度も転倒したことがなかったので、本日もいつもどおりバインディングペダルを準備してきていた。しかし、今回は滑って急激にバランスを失ってしまうため、クリップを外す余裕もなく、2回も転倒してしまった。もちろん、普段使っている外しやすいペダルではなく、DH用のペダルをつけていたのではずれにくかった、ということもあると思う。結局普段だったら問題なさそうなドロップオフも、バイクから降りて進まなければならなかった。
なにより、今回は私の脚が完全になくなってしまっていた。登るどころか平地でも一生懸命漕がなければバイクがすぐに減速し、止まってしまう。軽い下りでも減速が激しいので漕がなければならないほどだ。DH向けのタイヤだったということが大きく影響しているのだろう。
そういえば、Prophetの購入直後、このセッティングでこのコースを走ったことがあるが、Jekyllに比べてとても重く感じることに驚いた記憶がある。このときは路面が乾いていたが、今日は路面が濡れていて滑りやすい。12月にa.b.c cupのゆったりエンデュランスで走ったが、そのときの芝生以上に回転が重い。
結局4周走ったが、回が進むにつれ、友人との差は広がるばかりであった。ポイントポイントで待ってもらったのだが、まともに走ったら半周も離されてしまうのではないか。
山を下りたときは相当体力を消耗していた。下りたところで友人が初めて会う世田谷区のMTBerさんと話をしていた。お子さんもMTBに乗るというが、今日はお子さんが雨による路面コンディションを嫌い、一人で来たとのことだった。私も機会があれば子供をつれて楽しんでみたいと思った。
問題は帰路。もうほとんど脚が残っていないため、往路70分ほどのところを90分以上もかけて走ることになった。
今回の一番のミスはタイヤのチョイス。トレーニング目的ならいいかもしれないが、スピードが出ないため、なにより快適ではない。下り性能については私が持つタイヤの中では一番なので、そのときだけの限定で使うことにしたい。
合わせて、きっちりトレーニングしておかないと。今年に入ってからは、筋トレ系はきっちり行っているが、有酸素系はあまりやっていなかった。MTBを楽しみたいなら、さぼってはいけない!
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