最終夜 燃えよドラゴン

これはもう別格でした。視聴環境も、作品も、人の入りも、そしてお忍び(?)の芸能人さんたちも。

さすがはハリウッド製です。今までの3作品とは水準が違う。

また、今日だけは「DCP(Digital Cinema Package)上映」とのことで、音響、画質ともにすばらしく、さらにスクリーンをフルに使えることで、超大画面での鑑賞となりました。

内容やその素晴らしさ、ブルース・リーの動きに少し制限があった感じがしたことなどはすでに2011年、武蔵野館さんの上映のときに詳しく書いているので重複して書くのはやめますが、股関節の調子が悪い分、特に地下室での上半身を使って敵を倒していくテクニックが大変素晴らしかったです。

あと、画質が良かったこともありますが、この人もやはり人間だったんだ…と感じたシーンがありました。

この映画がクランクインされたあとも、主演のはずのブルース・リーはなかなか現場に姿を現しませんでした。緊張しすぎていて、現実に向かうことができなかった、あるいは制作者たちがいうことを聞かないのでへそを曲げていたとか、いろいろな説がありますが、その彼がようやく姿を現して撮影したシーンが、部屋で女性陣を迎え撃つシーンです。

話には聞いていましたが、大画面で確認すると、確かにブルース・リーの下まぶたのあたりが少しピクピクと痙攣しているように見えました。簡単なシーンなのに、緊張のため、顔が引きつってしまって何度も撮り直したということです。

夢だったハリウッド進出が現実になり、ものすごくプレッシャーを感じていたのではないかと思います。このシーンを撮り終わったあとは、ブルース・リーらしさを取り戻したと聞いています。

私の一番好きな作品は「ドラゴン危機一発」で変わりませんが、最高の作品はやはり、この「燃えよドラゴン」であると再認識した次第です。

今日はちゃう・シンイチーさんの最後のトーク。

  • 燃えよドラゴンも、当初は西本正さんが撮影監督を務める予定であった。途中交代となってしまったが、実は燃えよドラゴンには西本さんが撮影されたフィルムがあることが分かった。船の上の「カマキリが闘っている映像」が西本さんによる撮影とのこと。
  • オープニングクレジットで主役の名前が「BRUCE LEE」(左)と「JOHN SAXON」(右)のダブル主役で並んでいる理由。一般には「初の中国人主役のヒーロー映画で、ハリウッドが不安になり、白人俳優を保険に立てた」などと言われているが、実はそうではなかった。
  • 実はこれ、ブルース・リー本人が、燃えよドラゴンを撮るに当たって、ハリウッドに出した6つの条件の一つだった。自分の名前の横に、白人側の主演俳優の名前を入れるように、と。
  • 当時は白人観客は、白人主役に期待し、注目することを見越したブルース・リーの「白人社会」への挑戦と言えた。
  • 映画が始まった瞬間に、中国人側の主役と白人側の主役、どちらがすごいかはっきりと思い知ることになるだろうと。
  • そのブルース・リーの狙いはまんまと成功。本当に頭がいいというか、いやらしいというか(笑。
  • 今日の燃えよドラゴンはDCP上映で、画質も音響もきれいなので期待してください。
  • 今日は、観客の中のゲストもすごい。まずは染野行雄さん。染野さんの空手の後輩のピーター・アーチャーが本作品の「パーソンズ」役で出演している。染野さんが、ピーター・アーチャーに、「ブルース・リーどうだった?」と聞いたら、「大したことないっすよ」という返事だったとか。
  • なべやかんさん、しょこたんママもおいでになっていました。しょこたんママは「ブルース・リーは、しようこと私の神様」とおっしゃっていましたよ。
  • そして竹中直人さん。なんと、ブルース・リーのものまねを披露してくださいました。写真も「OK」。(4Kで撮影させていただきましたが、ここでは自粛させていただきますね )
  • 竹中さん、本編観ているときに思いだして笑わないように注意。

…というような結構すごい環境での上映だったんです。中型の劇場もほぼ満席ですが、みなさん集中してご覧になっていましたよ。20年前くらいだと、私のようなオッサンが多いイメージでしたけど、今日もエスカレータで私の前に、若いおしゃれ系の女性がそれぞれブルース・リーのチラシを持って9階6番シアターに向かっていました。私は開場後すぐに入ったので、おそらく私の後ろにはもっといたんじゃないかと。何か、噂に聞く一次ブームのような感じがしますよ。

でも、このような若いファンが増えてくれると、今後もリー先生の映画が劇場上映される可能性が高くなっていくので、本当にありがたいです。

実際、最近アクション映画などを劇場鑑賞する機会が多くなっているんですが、この映画の迫力とすごみの前では、シュワちゃんのターミネーターやゴジラのインパクトも、(私の場合は)かすんでしまいます。やっぱりトリックのない肉弾戦って、すごいですね。

一説には、1億5千万円程度の制作費で、世界興行収入は150億円とかいう記事を観たことがあります(正確性は保証しませんが(笑)。これだけ成功した映画なのに、1973年8月の全米公開時には、すでにブルース・リーは亡くなっていました。この世界的なヒットを主役のリー先生は知らないのです。本当に残念ですが、でも先生のことですから完全に予測は出来ていたかもしれませんね。

しかし、ピーター・アーチャー。あんたは(笑。例えば私があの映画の中に入って、なんとか勝てそうな相手がジョン・サクソンさん、ピーター・アーチャーさんと思っているのに。でも、映画で観ると、ピーターさん、確かに基礎がしっかりしていましたね。

そしてその先輩の染野行雄さん。ずっと真実ではないと思われていた、ブルース・リー VS 香港ボクシングチャンピオン(有名な武術団体会長の甥)の裏試合を直に観戦したことを少し前に証言された方です。伝記映画では面白おかしく闘っていましたけど、実際の試合は一瞬だったそうです。

当時、突然に香港のボクシングチャンピオンが姿を消し、引退されたことが話題になったらしいですが、その理由は…。二度とボクシングが出来なくなるほどの重傷だったらしいです。これ以上は書きませんが、興味がある方は、最近のブルース・リー書籍に「パラパラと」載っているので、ご覧くださいませ。

ただ、念のため、別の説を追記しておきます。当時ブルース・リーの取り巻きをしていたスタントマンたちは、この闘いについては実現しなかったと否定しています。しつこく挑戦してくるボクシング・チャンピオンを、取り巻きの1人、ラム・チョンイン(林正英)さん、霊幻道士の主役として知られる方ですが、「アニキとやる前にオレとやれ!」と追っ払ったそうですよ。

ああ。これで4夜連続ブルース・リー先生に会えました。

ちゃう・シンイチーさん、新宿ピカデリーさんに大感謝!

また、来年の公開、待っています。ぜひ、広東語版も!

前回、新宿武蔵野館さんで鑑賞したあとは、帰りに熊本ラーメンの「新宿肥後のれん」さんでラーメンを食べたのでしたが、今回は同じく熊本ラーメンの「桂花ラーメン」で食べたのでした。

今はもう、新宿肥後のれんさんはありません。桂花ラーメンさんも何十年ぶり。急に食べたくなったのです。「燃えよ…」のあとに火の国、熊本のラーメンを選んだのは単に偶然かと思いますが、学生時代に頻繁に利用した「肥後のれん」さんが本当に懐かしいです。