誰でもたちまち130キロが打てる武術打法

イヤホン、親指シフトの紹介が続いてきたので、ここらで運動系の書籍に戻しましょう。
こちらは、最近はやりの「武術の動きをスポーツに生かそう」というテーマの書籍です。このテーマの書籍は結構難しいものが多く、「本当に応用できるの?」と疑ったままで終わることも多いのですが、この書籍はずばり、その意識の仕方と動作の仕方そのものが紹介されています。ほかの書籍のように「なぜ、そうなるのか」という解説が主ではないんですね。ですから、そこに紹介されている「コツ」をすぐに試すことができます。実際に体を動かしてみると、以外にあっさりできる、という人も多いのではないでしょうか? もちろん、それが本当に競技(この書籍では野球のバッティング)に役立つか、ということは野球の専門家ではない私には断言できません。しかし、たとえば空手などの武道に応用するのであれば、この書籍に紹介されたコツは、これから武術というものを習得していくのに非常に有益だと私は思います。
全部を試したわけではありませんが、私がもともと理解していたコツと一致するものもかなり含まれます。こういったコツを改めてわかりやすく言葉で表現している点は評価できますね。

ただ、この書籍に出てくる、このような方法が「科学的だ」という主張については、まだちょっと違和感があります。この表現は宇城先生の技術・技能表現に対する著者の感想だと思いますが、この方法が客観的に再現可能な方法として認められると判断して、このような表現をしたのでしょう。しかし、このようなコツは人によってかなりばらつきがあります。
もっと基本的なことでいえば、この書籍は野球のバッティングをテーマにしていますが、バッティングには長い年月を経て確立された技術が存在します。それらの技術とこの武術打法に乖離があり、武術打法より従来のバッティング技術のほうが成績を上げられる、というようなことがあれば(私はその可能性のほうが高いと思っているのですが)、そうなると武術打法は科学というより、意見というレベルになってしまうと思います。