パーソナル・トレーナーズ・バイブル

 私は商業スポーツ施設のフィットネス・インストラクター出身で、いわゆる専門のパーソナル・トレーナーではなく、その経験もさほど多くありません。私自身、力不足を感じる場合にはお断りしています。もちろん、徐々に勉強を重ねて、いろいろな事例に対応したいとは思っているのですが。
 こういった過渡期のインストラクター、トレーナー向けに、さまざまな参考書が出ていますが、その中でもこの書籍はかなり参考になりました。
 どの書籍においても、
「ある目的に対して」
「このようなプログラムを適用すれば」
「期待する成果を上げられる」
といったようなことは書かれています。しかし、対象となる人は千差万別であり、どういったさじ加減をするかはトレーナーに任されます。そのさじ加減については資格を取ったり、先行の指導者に習ったり、経験を積んだりして少しずつ学習をしていくわけですが、どのくらい細かく対象となるお客様を分析して評価できるかで、その精度は確実に変わってきます。
 こういった評価のシステムは多くの書籍に一般的な評価法が書かれているわけですが、このパーソナル・トレーナーズ・バイブルについては、特に身体運動学的(キネシオロジー)な身体評価手法の紹介が充実していると思います。もちろん、その評価の専門書にはかなわないでしょうが、同じ価格帯(レベル)としては十分だと思います。
 整体のような民間療法的なアプローチによる評価法も私たちにとってかなり参考になりますが、このパーソナル・トレーナーズ・バイブルの場合はスポーツ科学の知見に基づいたものなので(まあ、スポーツ健康法も民間療法の一つといえますが)、私のような立場の人間には受け入れやすいものだと思います。
 ちなみに、最近武術を中心とした身体操作や意識との関連についての書籍が花盛りですが、評価の方法や、その評価の結果を本当に改善する運動なのか、という検証、そして具体的な手法の提供という点では、まだまだだと思います。もちろん、私自身も武術や身体操作、意識の関連についてはすごく興味があり、実際に断片的なプログラムを紹介する場合もありますので、とても期待される分野ではあります。