運動会で1番になる方法—1ヶ月で足が速くなる股関節活性化ドリル

 私は小学生から中学生にかけて、徒競走ではいつも「ビリから2番」という成績でした(なぜか最下位ではなかったですが)。かといって長距離が速いわけでもなく、こちらも最後尾に近い成績でした。ようするに、非常に身体能力の低い少年だったわけですね。
 しかし、高校時代に空手道部に所属することにより、それらは改善されるわけですが、こと短距離に関しては平均レベルまでしか伸ばすことができませんでした。垂直飛びや反復横跳び、三段跳びなどは学年でトップクラスでしたから、決して瞬発力に欠けていたわけではなかったはずです。反面、長距離の成績はどんどんよくなり、トップとはいえないまでも学年で上位といっていい成績を上げられるようになっていました。
 このことから、きっと私は収縮が遅い遅筋線維の割合が多いのだろうと考えました。高1の体育教師が言っていた「脚が遅いやつはどんなに頑張っても駄目だ」という言葉の意味が改めてわかったような気がしたものです。
 そんなある日、私のダッシュを見て、足が速い私の友人がこういいました。
「お前、長距離のフォームで短距離を走ってる」
 そのときは残念ながら、私の中には遺伝的な要因と勝手に決めつけたあきらめがあり、そのフォームが私の短距離の成績が伸びない主要な原因であるとは考えていませんでした。
 しかし、その後スポーツ業界に入り、短距離のフォームを研究したことで、私の認識は変わりました。短距離走が明らかに速くなり、20代半ば頃に所属した草野球チームでも盗塁成功率No.1となりました。アメリカの大学でビデオを使ってフォーム分析をしてもらったときも、肩の硬さは指摘されたものの、その他の部分では理想的な走り方をしているという評価をもらいました。記録は覚えていないけど、高校時代よりはかなりいい成績だったと思います。
 それでも、私の中ではまだ疑問が残っていました。どうも足の回転が上がらないのです。まだその時は、股関節の意識の重要性には気づいていなかったのです。ひざを上に高く振り上げ、地面を後方に強く蹴るフォームでした。
 その後、昔の短距離選手と現代の短距離選手では筋肉の発達の仕方が変わってきていることに気づき、股関節の働きの重要性を理解するようになりました。このことにもっと早く気づいていれば、私も惨めな少年時代を過ごさずにすんだのですが…。今、その夢は代わりに長男が実現してくれています。
 さて、この書籍には、その重要な股関節を活性化させるためのドリルが具体的に紹介されています。また、そのドリルにより小学生の50m走の成績が変化する実例なども取り上げられていて、興味深い内容となっています。
 短距離・長距離に限らず、一流と呼ばれるようになるためには確かに遺伝的資質は重要な要素になりますが、この書籍に紹介されるドリルを採用することでもかなりの改善が期待できるでしょう。