親指シフトキーボード改造

まさかの入手「ビジネスオアシス キーボード」

ICOの必殺武器といえば、一番最初に挙げられるのが「親指シフトキーボード」。このコーナーをごらんになっている方はすでにご存じでしょうが、特に”Rboard Pro For PC”は、私にとって欠かすことのできない表現の道具になっています。

しかし、私は完全に満足していたわけではありません。というのは、昔、秋葉原で「ビジネス(業務用)オアシス」の専用キーボードに触れてみた経験があったからです。何が違うかというと、そのキートップやキースイッチを押すボタンの構造です。

Rboard Pro for PCや、富士通製のKB-611は、多分コストを抑えるためでしょうが、キートップの直下にある、キースイッチを押すボタンがほとんどすべて同じ角度を向いています。

しかし、ビジネスオアシスのキートップとキースイッチは、オペレータが入力しやすいように、それぞれの段でかなり異なる角度がついているのです!またそれだけではなく、高速にタッチしたときに指が滑らないためでしょうか、 トップの面積が狭く、表面が深くへこんでいます。

Rboard Pro for PCは、キースイッチこそビジネスオアシスと同じものを使っているものの、キートップやキースイッチボタンは上記の通り、普通の安価なキーボードと変わりません。

ところがそのRboard Pro for PCについてきた説明書に、とても興味深いことが書いてあります。「キースイッチは同じなのだから、キートップをビジネスオアシスのものに変更すれば、ビジネスオアシスそのものの入力感覚になる」というのです。

ビジネスオアシスのキーボードをわざわざキートップ変更のためだけに買うのもなんだか変な話です。それでもとても興味があって、インターネットで値段を調べてみました。すると、40,000円もするではないですか? まあ、Rboard Pro for PCと比べれば安いのですが、キートップのためだけですからね…。

そんなことを考えながら過ごしていると、最近私の友人が、「Yahooオークション」のことを教えてくれました。まさか、親指シフトキーボードなんてないだろう…、と思っていると、なんと「ビジネスオアシスキーボード」があるではないですか!私は一も二もなく入札しました。価格はなんと1500円からスタートです。

締め切りまで間もなかったのですが、私は1人目でした。そして、落札するまで何度もYahooをのぞきました。もし、他の人が入札したら即座に対応するためです(後で知ったのですが、自分より高額の入札があった場合は、自動的にメールが送られてくるようです)。

そして、本当に運が良かったのでしょうね。なんと私はそのまま落札することができたのです。親指シフトを使う人にはこだわりのある人が多く、ビジネスオアシスのキートップをほしがっている人はかなりいるでしょうから、ラッキーだったと思います。
届いたキーボードを開けてみる

そんなわけで、私は初めて参加したオークションで待望のキーボードを落札したのですが、出品者の方がとても親切な方でJISキーボードまでつけてくれていました(実はこれが後で大変重宝することになりました!)。

はやる心を抑えて梱包を解いてみると、昔見たビジネスオアシスのキーボードと、そしてあまり見たことのないJISキーボードが同梱されていました。前者はOASYS SF-70の付属品で、後者は300Aの付属品だそうです。300Aとはすごい。たしか、SF-70でも、7-8年前に私が秋葉原で見た時には100万円弱くらいしていましたからね。

まずは、待望の親指シフトキーボードをタイピングしてみます。もうその瞬間、あの秋葉原の体験がよみがえってきました。そのうち心地はRboard Pro for PCを大きくしのいでいます。このキートップはお金がかかっている感じですね。なんだか「すごいことになるぞ!」という予感がしました。何がすごいことになるのか分かりませんが…。

JISキーボードなどはまだ未開封のもので、さらに親指シフトキーボードよりもきれいでした。キートップの交換用が目的でしたが、新品同様なので、手をつけるのに正直なところ躊躇しました。それでもやはり「ビジネスオアシスの環境を再現したい」という私の夢はそんな迷いも吹き飛ばしてしまったのです。
キートップが固い固い!

Rboard Proには、キートップ引き抜き工具なるものが付属しています。何でも「ビジネスオアシスキートップに変更するための引き抜き工具」であるとか。何から何まで親切ですが、それにしても最初からそれを前提にしているとは…。

まず、Rboardキートップの引き抜きから行います。これはあっさりと終了しましたが、キートップは他のPC用キーボードとさほど変わらず、ちゃちなものでした。

次に、親指シフトキーボードからキートップを引き抜きます。しかし、これがうまくいかない。1日経過した今もちょっと指が痛いのですが、なかなか抜けないのです。

そういえば、Rboardの解説書に、「ビジネスオアシスのキートップはこの工具では抜けないでしょう」というようなことが書いてあったな、と思い出しました。でも、ここでくじけるわけにはいきません。指の力で思い切りはさみつけて抜きました。

抜いてみて分かったのは、ビジネスオアシスのキートップはRboardのそれとは全く構造が違う、ということ。Rboardのそれは一体成形のものですが、ビジネスオアシスの場合、外層と内層が二重構造になっており、非常に作りがしっかりしていて重厚感があるのです。なるほど、キースイッチが同じなのに、うち心地がこんなにも違うのは、このキートップの性格のためか、と改めて認識しました。

最初は、数字、文字のキーだけを交換すればよいと思っていましたが、数字の1番キーなどは、JISのものでないと合わないため、JISキーボードから流用できるキートップも結構探しました。それ以外にも、シフトキーなどは、サイズ的にJISキーボードでないと合わないのです。

また、Rboardのキー数のほうがビジネスオアシスキーボードのキー数より多いため、JISキーボードがなければ改造はできないところでした。

数字、文字キーのほとんどを親指シフトキーボードから、その他はJISキーボードから引っ張ってきて、一通りの作業を終了しました。残念ながら、右のシフトキー、左のキャプスロックキー、アットマークキーについては、キースイッチの位置が微妙に違うため、交換を断念しましたが、ほとんどの使用キーを交換することに成功しました。

それにしてもビジネスオアシスのキートップとRboard Pro for PCのキートップでは色が全く違うのですね。見た目には不思議な雰囲気のキーボードになってしまった!
これが改造前

これが改造後

本当にすごいことになった

機能キーについては、次回以降のテーマということにして、早速生まれ変わったキーボードをPCに接続しました。

確かにビジネスオアシスのキートップ カラーは昔風です。Rboardの生き残ったキートップと比較しても見た目にはとても違和感を感じます。しかし、実際にタイピングをしてみて、見た目の不格好さはどうでもよくなりました。もうとにかくタイピングがしやすいのです!

キータッチが今まで以上に軽く感じられ、しかも、キーを押したときの感覚が安定しています。キートップの表面の面積はずいぶんと狭くなるのですが、かなり深くへこんでいて、指がずれません。そして、最上段の数字キー! 非常に角度がついていますので、非常にタイピングがしやすいのです!

いま、この文章も新生Rboard Pro for PCで入力しているのですが、とにかく今までとはまったく違うキーボードを手に入れた感じです。横で家内が冷たい目で見ていますが、私的には「もうこれは、本当にすごいことになった」と思うだけです!

Rboard Pro for PCの発売元、リュウドさんには、ぜひこのキートップを再現した特別バージョンを製作してほしいな、と思いました。キーボードは一生ものですから、多少高くても買っちゃいますよ!

というわけで、これからもガンガンICOを拡大していきますね!
2000年7月26日追記

しばらく使っているうちに、この改造キーボードの弱点を2つ見つけました。

一つは非常にタイピング音がうるさいこと。キートップが固く、タイピングを行うたびにカチカチと大きな音がします。これは家族に不評です。

また、オアシスのキートップは、その直下にあるキースイッチを押すボタンの角度に合わせて作っているため、トップを交換するだけではビジネスオアシス キーボードと比較して多少の違和感があります。

そのため、後日私はキースイッチを押すボタンをも交換してしまう、という暴挙に出ました。その結果、Rboard Proについていたもともとのキースイッチ ボタンをいくつか潰し、また、破壊してしまって瞬間接着剤のお世話にもなるという始末…。

その代わり、現在は前にも増してタイピングしやすい親指シフトキーボードが誕生しています。いや、すばらしい。