デビッド・キャラダイン

ブルース・リーは香港に戻る前、”Kung fu(中国武術を意味する言葉)”というTVドラマを企画・提案していました。しかし、中国人である彼はこの企画の主役に選ばれることはありませんでした。ブルースのアイデアはテレビドラマ化されましたが”Kung fu(燃えよカンフー)”、その主演を務めたのがデビッド・キャラダイン氏です。これは大ヒットドラマとなったのですが、ブルース・リーの存命中に放映が始まっていたので、彼の心中は複雑だったかもしれませんね。

また、ブルース・リーはサイレント・フルートという映画を脚本家のスターリング・シリファント、俳優のジェームズ・コバーンとともに企画しましたが、ロケ地の問題でコバーンが降板したことで、いったんお流れになりました。その後コバーンが改めてブルース・リーを迎えて映画を制作しようとしたものの、今度は香港で大スターになっていたブルース・リーがこれを蹴った、といわれています。私としてはブルース・リーのサイレントフルートをぜひ見てみたかったのですね。もしかしたら、ハリウッドデビューのタイミングも変わって、彼のその後の運命も変わったかも、なんて思ってしまうのです。もっと早くアメリカに戻れていたらあの死はなかったのかもしれないし、逆に燃えよドラゴンのようなインパクトのある映画が撮られることもなかった可能性もあります。

このサイレント・フルートものちに映画化されましたが、その主演を演じたのもデビット・キャラダイン氏でした。

Kung fu(燃えよカンフー)で、ブルース・リーの活躍の機会を奪ったという勝手なイメージで私自身はデビッド・キャラダインさんに好印象は持っていませんでした。武術もできないのに、達人のように振る舞っている人というようなイメージも持っていましたね。本当はブルースの活躍を奪った、というのは筋違いなんでしょうけど…。

しかし、妻と結婚したころ、WOWOWでやっていた「新・燃えよカンフー」に二人ではまったことがありました。もちろん、デビッドさんはカンフーは上手ではなかったですけど、作品としてはなかなか面白かった。

また、燃えよカンフーの続編ではデビッドさんはブルース・リーの亡き長男、ブランドン・リーさんとも共演したことがありました。そんなことを考えると、私の「デビッド・キャラダインはブルース・リーのカタキ」みたいな思い込みは正しくなかったのかもしれません。

そのデビッドさんがタイのホテルで亡くなった、と聞きました。また、ブルース・リーの時代に活躍した人が一人、いなくなってしまったのですね。

デビッドさんのご冥福をお祈りいたします。