Macに乗り換えて1周年

昨年9月に、ICOの制作環境をPower Mac G4に移してから1年が経ちました。この1年の間に、17inch液晶のPowerBookが発売されたり、Power Mac G5という64bitプロセッサ環境が登場したり、アメリカでミュージックストアが成功を収めたりと、Apple Computer社はさまざまな話題を振りまいてきました

私はもともと新しい物好きですので、Intel PC で Windows を利用していた際にも新しい技術が発表されるたびにためしてみたい気持ちになったり、ICOを制作するためのワークフローに役立つものがあれば積極的に導入してきたりしました。
しかし、この1年については、Power Mac G4の環境を、それまで7年以上も使ってきたWindows環境と同じレベルにまで引き上げるのに必死だった気がします。ソフトは全部買い直さなければならなかったし、詳細なカスタマイズをするのに、改めて勉強しなければならないことも多かったし。
それでも、この1年のAppleの新製品や話題は、私にとっては刺激的なものばかりでした。Wintelというデファクトスタンダードな環境では、新技術の発表は非常に頻繁であり、それに慣れてしまうと刺激が分散されてしまうためか、あまり大きな驚きを感じることはありませんでした。しかし、Macのユーザになってみると、いきなり17inchのノート型コンピュータが発売されてみたり、コンシューマ向けメーカ製品では世界初の64bitマシンを発表してみたり。1回1回の話題のインパクトがずっと大きい気がします。こういうところが、Apple Computerのおもしろいところなのかもしれません。1年利用したことによって、私もすっかりAppleの流儀にはまってしまったような気がします。

この1年、Macに変えて良かったことは、なによりも「コンピュータウィルス」「セキュリティホール」に対して、Windowsほど神経質になる必要性がなくなったことでしょう。もちろん、Mac OS XもコンピュータのOSである以上、ウィルスに感染すれば深刻なダメージを受けますし、他にも迷惑をかけることがあります。OS XのベースとなっているUNIXのアプリケーションにもたびたびセキュリティホールが発見されています。ただ、Windowsと異なり、ターゲットにされる機会が圧倒的に少ないんですね。
Windowsマシンではこうはいきませんでした。ウィルス対策に手をかけるあまり、本当にやりたいことが「進まない」という場合が多々あったのです。実際、私の以前のメールアドレスには、1日数十件以上のウィルスが届いていましたし、メールサーバに接続しては、クライアントにダウンロードする前に怪しいメールをすべて手動で削除するというワークフローが必要になっていましたから。
あとは、操作体系が「シンプル」なことでしょうか? 「シンプル」と「便利」は必ずしも一致するわけではなく、確かにWindowsのデフォルトのツールのほうが「便利」であることは多かったです。しかし、いったん自分なりの操作方法が確立してしまうと、一つのことを行うのにあまりにもたくさんの方法が用意されてしまっているWindowsではかえって煩わしく思うこともありました。
そして、画面がきれいなこと。画面に出力されるテキストにアンチエイリアスがかかるMac OS Xは私にとって本当に「優しい」環境となりました。

逆に、Macに変更して困ったこと。それは、アプリケーションをそろえ、Windowsで培ったレベルの環境を構築するのに非常にお金がかかったこと。Appleでは声高に’Swith’ 「スイッチ」と叫んでいましたが、Windowsユーザにとって、その必要性を感じるだけの説得力はなかったと私は思っています。
あるスイッチユーザが「MacにもMS-Officeはある。困ることは何もない。あとは乗り換えるだけ」というような宣伝をしていたと思いますが、そのOfficeを購入するのにどれだけのコストがかかると思っているのでしょう?
私の場合は、上記以外に、FTPソフトを探すのに困りました。最終的にTransmit2.xというソフトを選定したのですが、Windowsに存在するフリーのFFFTPとか、半額以下で購入できるNextFTPといったようなソフトの半分の機能も持ち合わせていません。そのうちそろっていくのでしょうか…。
そのほか、Windows2000などと比較すると、OSそのものの安定性は遜色なくなってきたような気がします。乗り換え当初はよく見られたカーネルパニックも、OSのリビジョンが上がるたびにほとんど発生しなくなってきましたし、OSそのものがフリーズすることもほとんどなくなりました。
しかし、アプリケーションはどうかというと、本当に頻繁に異常終了してしまうんですね。今回、ICOのサイト構築ソフトをDreamWeaver MXに乗り換えた際に、あまりに頻繁な異常終了に閉口しましたが、これはApple純正のソフトウエアでも似たり寄ったりなのです。
私は2000年に購入したモバイルPCではWindows2000をインストールして使用しているのですが、多少無茶な使い方をしても、アプリケーションが異常終了するようなことはほとんどなくなりました。しかし、OS XではAppleが開発したWebブラウザのSafariでさえ、短時間にメインウィンドウがマウスで左クリックできなくなったり、異常終了してしまうのです。
もう少し、アプリケーション全体のOS Xへの適応性が高まって、安定性が高まることを期待しています。

今月25日には、OS Xの新バージョン “Panther(10.3)”が発売されます。FinderがWindows XPのインターフェースに似てきたような気がしますが、よりシンプルで直感的に仕上がっていることに期待します。また、Windowsにはかなり以前から、開いているWindowsを一気に最小化して、デスクトップを表示する機能がデフォルトで存在していましたが、今回のPantherでようやくそれが実現します。この機能はとても便利なので、念願が叶った、という感じですかね。もちろん、後発ということもありますが、開いたWindowやアプリケーションの整理、という点ではWindows XPにすらない機能が多数追加されているのも楽しみです。