スポーツPNFマニュアル—スポーツ障害の治療とトレーニング

 私がPNFという言葉に初めて触れたのは、PNFを応用したPNFストレッチというプログラムの名前を聞いたときのことだと思います。そのPNFストレッチの解説の中で「ホールド & リラックス」という手法が紹介されていて、これを利用することで劇的に関節可動域を改善することができるというようなことが書かれています。実際にその手法に従ってみると、なるほど、一時的な効果を感じることができます。継続すれば、パッシブ(受動的)な柔軟性については、高まっていくことは間違いなさそうです。しかし、私はこの時点ではPNFと、PNFストレッチの区別はいま一つついていなかったと記憶しています。

 その後さまざまな雑誌の記事や知り合いがPNF(固有受容器神経筋促通法)について話しているのを聞いたりして、ストレッチにも応用されたPNFそのものに対する興味が高まっていきました。そして、その道で有名な覚張先生がワークショップを開かれる、という話を聞き、当時一緒に仕事をしていたスタッフを一人引き連れて参加することにしました。

 この先生が物事をとてもはっきりいう人なのですが、反面講義や実技についての解説は非常に分かりやすく、また明快でした。実際、いくつかの分かりやすい手法を教えていただいた訳ですが、それらがかなり明快な結果を出すので、「これは面白い」と、一緒にいたスタッフと興奮したのを覚えています。

 確か、この本はその会場で入手した記憶があります。興奮覚めやらぬまま購入したのでしょうが、今日習ったことを忘れずに施設のスタッフになるべく正確に伝えたい、という気持ちもあったためだと思います。

 こういった手技については、私はいまだに勉強不足ではありますが、当時の私にはこの書籍はなおさら難しく感じました。前半の理論的なところは何のことはないのですが、分解写真から動作を再現するのが難しいのです。

 この書籍については、妻が一度勤務先のスポーツクラブに持っていったことから、そこのスタッフの人たちがPNFにすごく興味を持って、なかなか返してもらえなかった、という後日談もあります。