フィットネスQ&A―指導者のための基礎知識

フィットネスQ&A―指導者のための基礎知識

この書籍は私が初めてフィットネス関連の資格である「健康運動実践指導者」を取得した際に養成講習会テキストとして付属してきた書籍です。
手にとって最初に思ったのは、Q&A形式をとっていることで、体系立てて勉強するための教科書ではないな、ということ。そのかわり、現場で問題になりそうなさまざまな事柄をQ&A形式でまとめているわけです。
ただ、そのQのほうですが「〜を説明しなさい」というような設問形式になっていますが、正直私でも詳細には答えられないものがありますね。このレビューを書いた機会に再勉強しておこう。
また、むりやりこの形式にまとめた設問もあるのでしょう。あるいは各Q&Aをまとめた複数の著者の間のばらつきによるものかもしれませんが、もう少しわかりやすく書けたのではないか、と思うような記述もあります。

実際、このテキストを使って講義を組み立てていた講師の中には、「必ずしも情報が正確ではない。こういう意味でとらえてください」と修正をする人もいましたし、このテキストにしたがって講義を進めるのは難しいな、という表情をされる講師もいました。

また、最後のほうに運動指導のポイントなどをまとめた資料があります。指導者のための実践としてはまだまだ不十分なものがありますが、これらについてはそれぞれ専門の書籍をひもとくとよいでしょう。

自分でできるテーピング—傷害予防と応急処置のためのテーピング基本マニュアル

私の場合、スポーツ選手を扱うトレーナーさんや柔道整復師の先生とは異なり、テーピングを行う機会はそう多くありません。テーピングを行う対象は基本的にはお客様で、私がよく行っていたのは、ウェイトトレーニングを行う際の手首のサポート用のテーピング、およびスタジオでときどき起こる足首のねんざへの対応でした。自分に対して行うのは、ちょっとした幅を広げるための練習くらいであり、ほとんどなかったですね。
それが、初めてMTBに乗ったときに、4Xコースでの転倒で足首のあたりをクランクと車体の間に挟んでしまって、そのバイクで足首をさまざまな方向にねじられてしまってひどいねんざを起こしてしまったのです。実際、内反ねんざと外反ねんざの両方を起こしてしまった感じで、1年半以上が経過したにもかかわらず今でも不安定で痛みや違和感を感じます。
しかし、MTBについてはこれから楽しんでみたいという気持ちがあったので、山でのライディングやレースの前には自分でテーピングをするようになりました。

その際、書店で見つけたのがこの『自分でできる テーピング』です。トレーナー、インストラクターとして他人に巻くのとは違い、自分で巻くコツが乗っているのだろうと、参考のために購入しました。

しかし、中身を確認していなかった私も悪いのですが、実際には「自分でできる」というより「トレーナーではないけど、自分がやってあげられる」というような意味合いが強いのではないかと思いました。実際、自分でやっている写真は手の指のサポートくらいなもので、他はすべてパートナーがテーピングをしているのです。エピソードとして、「韓国のサッカー選手は自分で巻いている」という話が出てきますが、自分で巻くときにはこんなテクニックが必要というようなものではありませんでした。実際、肩のテーピングなど、自分で行うのはほぼ不可能でしょう。

このようにこの本を「自分のためのテーピング」ととらえてはいけません。ただ、体の各部位の代表的なテーピングの技術が紹介されていますし、巻かれたテーピングも大変きれいなので、技術的にとても勉強になります。もっと大きな、きれいな写真で著者のテーピングを確認したい場合は、『スポーツマッサージ&テーピング』のほうがいいかもしれません。こちらは、足首の応急処置用の巻き方(私はこれを行うことが多かった)も載っています。

勝利をつかむコンディショニングBOOK

 アスリートが競技能力の「ピーク」を作るためのピリオダイゼーション・コンディショニングについて詳細に説明した書籍です。
 コンディショニングに必要な周期化に関わる情報は非常に膨大なものですが、それをよく1冊にまとめたものだと思います。単にトレーニングの行い方を紹介するのではなく、その間に起こりがちな体の不調(急性疾患、けが、リコンディショニング)や、メンタル・休養・栄養に関する情報まで盛り込まれています。
 もちろん、各分野の本当に詳細な情報などについては、紙面が限られているため必ずしも十分ではあるとはいえませんが、各種トレーニング種目や食事メニュー、メンタルエクササイズなどについて、もっと専門的な情報が必要になれば、そのときに各分野の専門書をひもとけばよいでしょう。
 競技能力のピーキングを行うために必要な周期化をどのように行うのかという設計の手法を学び、スケジュールを立てて実践してみるのにとても役立つでしょう。

 基礎理論については、とても懐かしい感じがしました。というのは私自身も、フィットネスインストラクターになる前、坂詰先生の師の一人である士反先生が作られた教育マニュアルに沿った研修を受けたことがあるからです。もちろん懐かしい、というだけではなく、今でもそれを私の知識や技術の基本として役立てています。

 本の帯には「アスリート」のための書籍のような記述がありますが、内容的には、コンディショニング・トレーナーを目指す人向けではないかと思います。もちろん、環境の問題でコンディショニング・トレーナーがいない環境でスポーツに取り組まなければならないアスリートの方にもおすすめです。

スポーツPNFマニュアル—スポーツ障害の治療とトレーニング

 私がPNFという言葉に初めて触れたのは、PNFを応用したPNFストレッチというプログラムの名前を聞いたときのことだと思います。そのPNFストレッチの解説の中で「ホールド & リラックス」という手法が紹介されていて、これを利用することで劇的に関節可動域を改善することができるというようなことが書かれています。実際にその手法に従ってみると、なるほど、一時的な効果を感じることができます。継続すれば、パッシブ(受動的)な柔軟性については、高まっていくことは間違いなさそうです。しかし、私はこの時点ではPNFと、PNFストレッチの区別はいま一つついていなかったと記憶しています。

 その後さまざまな雑誌の記事や知り合いがPNF(固有受容器神経筋促通法)について話しているのを聞いたりして、ストレッチにも応用されたPNFそのものに対する興味が高まっていきました。そして、その道で有名な覚張先生がワークショップを開かれる、という話を聞き、当時一緒に仕事をしていたスタッフを一人引き連れて参加することにしました。

 この先生が物事をとてもはっきりいう人なのですが、反面講義や実技についての解説は非常に分かりやすく、また明快でした。実際、いくつかの分かりやすい手法を教えていただいた訳ですが、それらがかなり明快な結果を出すので、「これは面白い」と、一緒にいたスタッフと興奮したのを覚えています。

 確か、この本はその会場で入手した記憶があります。興奮覚めやらぬまま購入したのでしょうが、今日習ったことを忘れずに施設のスタッフになるべく正確に伝えたい、という気持ちもあったためだと思います。

 こういった手技については、私はいまだに勉強不足ではありますが、当時の私にはこの書籍はなおさら難しく感じました。前半の理論的なところは何のことはないのですが、分解写真から動作を再現するのが難しいのです。

 この書籍については、妻が一度勤務先のスポーツクラブに持っていったことから、そこのスタッフの人たちがPNFにすごく興味を持って、なかなか返してもらえなかった、という後日談もあります。